【052型】 †
中国人民解放軍海軍で運用されている駆逐艦。
中国での型式名称では052型(052A型とも)と呼ばれているがNATOコードでは
建造は1984年から計画されており、西側技術を大幅に取り入れた艦として建造される予定だったが、天安門事件?の影響による武器輸出規制やコストの高騰のため、1番艦の就役は1994年となった。
中国海軍の駆逐艦としては初めて、欧米諸国の同等艦に比肩しうる、バランスのとれた装備を施されており、機関に中国海軍の戦闘艦として初のガスタービンエンジンを採用している。
また、中国海軍の洋上兵力の弱点とされた防空力と対潜哨戒能力を大きく向上させた。
武装にはクロタル(後に国産の紅旗7(HQ-7)に換装)艦対空ミサイル8連装発射機を1基搭載し、対艦ミサイルに鷹撃81(YJ-81)連装発射機4基を装備している。
対潜兵装として75式12連装240mm対潜ロケット発射機(FQF-2500)2基とB515 3連装324mm魚雷発射管2基を装備し、艦載機として直昇9C(Z-9C)対潜ヘリコプター2機を搭載可能。
当初は、さらに4隻が建造される予定だったが、ほぼ同等の装備を備えつつ半分のコストで建造できる江衛型(053H2G/H3型)フリゲートの実用化により2隻のみの建造となった。
2隻はいずれも北海艦隊に所属している。
スペックデータ †
乗員 | 230名 |
排水量 (基準/満載) | 4,200t/4,800t |
全長 | 148m |
全幅 | 16m |
喫水 | 5.6m |
主機 | CODOG方式 2軸推進 ゼネラルエレクトリック LM2500ガスタービン×2基(1番艦*1) GT25000ガスタービン×2基(2番艦) MTU ディーゼル×2基 |
出力 | 55,000hp(LM52500) 48,600hp(GT25000) 8,840hp(MTU ディーゼル) |
速力 | 31ノット |
航続距離 | 4,000海里/15ノット |
艦対空ミサイル | クロタル8連装艦対空ミサイル発射機×1基(1番艦*2) 紅旗7(HQ-7)8連装艦対空ミサイル発射機×1基(2番艦) |
対艦ミサイル | 鷹撃81A(YJ-81A)対艦ミサイル連装発射機×4基*3 |
対潜装備 | 75式12連装240mm対潜ロケット発射機(FQF-2500)×2基 B515 3連装324mm短魚雷発射管×2基(魚7(Yu-7)を装備) |
砲・機関砲 | 79A式56口径100mm連装砲(H/PJ-33A)×1基 99式56口径100mm連装砲(H/PJ-33B)×1基(近代化改装後) 76A式37mm連装機関砲×4基 730型30mmCIWS×2基(近代化改装後) |
艦載機 | Z-9C対潜ヘリコプター×2機 |
C4Iシステム | SNTI-240衛星通信装置 HN-900戦術データリンク TAVITAC戦術情報処理装置(1番艦) ZKJ-4B/6戦術情報処理装置(2番艦) |
FCS | 344型(主砲・SSM用)×1基 CASTOR II(短SAM用)×1基(1番艦) 345型(短SAM用)×1基(2番艦) 347G型(機関砲用)×2基 |
光学照準装置 | 630型(砲用) |
レーダー | 518型3次元対空レーダー×1基 517HA型対空レーダー×1基(近代化改装後) 363S型対空対水上レーダー×1基 364型対空対水上レーダー×1基(近代化改装後) 362型対水上レーダー×1基 RM-1290航海レーダー×1基 |
ソナー | 1番艦: DE-1160Bバウ・ソナー DE-1164B可変深度ソナー 2番艦: SJD-8バウ・ソナー DUBV-43(ESS-1)可変深度ソナー |
電子戦 ・対抗装備 | 862C型ECM 946型15連装チャフ・フレア発射機×2基 726-4型18連装チャフ・フレア発射機×2基(近代化改装後) |
同型艦 †
# | 艦番号 | 艦名 | 進水 | 就役 | 所属艦隊 |
1番艦 | 112 | 哈爾浜 (Harbin) | 1991.8. | 1994.7. | 北海艦隊 |
2番艦 | 113 | 青島 (Qingdao) | 1993.10. | 1996.3. | 北海艦隊 |
*1 2009年〜2011年の近代化改装時にGT25000またはQC-280ガスタービン×2基に換装。
*2 2003年に紅旗7に換装。
*3 2003年に鷹撃83(YJ-83)対艦ミサイル4連装発射機×4基に換装。