【翔鶴】(しょうかく)

1940年代に登場した日本海軍の大型正規空母。同型艦に「瑞鶴(ずいかく)」がある。

本艦は海軍が1937(昭和12)年度に策定した「第三次補充計画」により発注・建造されたが、ちょうどこの時期、日本が軍縮条約から脱退したこともあって、それまで艦船の設計に課せられていた「縛り」がなくなり、
「(大和戦艦をも上回る)大出力機関による34ノットもの高速力」
巡洋艦の砲撃にも耐えうる重要部分の装甲防御」
など、当時最新の技術をふんだんに盛り込んだ「艦隊型正規空母」の決定版としてデビューすることになった。

1941年8月に就役後、直ちに連合艦隊へ編入。
同年12月8日の真珠湾攻撃を初陣に太平洋・インド洋を転戦し、数々の重要な海戦に参加した。
ミッドウェイ海戦で日本海軍がそれまでの主力空母4隻(赤城加賀・蒼龍・飛龍)を一度に失った後は名実ともに「主力空母」となり活躍したが、1944年6月のマリアナ沖海戦に参加した際、艦載機発進途中に米・ガトー級潜水艦「カヴァラ (USS Cavalla, SS-244)」からの魚雷攻撃を受け、魚雷4発を被弾。その際、気化した航空燃料が艦内に充満。そして、それに引火して大火災を起こし沈没した。

性能諸元

排水量25,675t(基準)/29,800t(公試)/32,105t(満載
全長257.5m
水線幅26.0m
吃水8.87m(平均、公試状態)
飛行甲板242.2m(全長)/29.0m(全幅)
機関ロ号艦本式専焼缶8基
艦本式タービン4基4軸推進
馬力160,000hp
速力34.2kt(最大)*1
航続距離9,700カイリ(18kt)
乗員1,660名
兵装(翔鶴)八九式40口径12.7cm連装高角砲8基 九六式3連装25mm高角機銃12基
兵装
(瑞鶴(最終時))
八九式40口径12.7cm連装高角砲8基 九六式25mm機銃(3連装20基 単装36挺(推定))
12cm28連装対空噴進砲?8基
搭載機常用72機 補用12機
1941年12月常用機:零式艦上戦闘機18機 九九式艦上爆撃機27機 九七式艦上攻撃機27機
瑞鶴(最終時):零式艦上戦闘機28機 零戦六二/六三型16機 彗星11機 天山14機
主造船所横須賀海軍工廠(翔鶴)
川崎重工業神戸造船所(瑞鶴)


同型艦

艦名起工進水竣工喪失除籍
翔鶴1937.12.121939.6.11941.8.81944.6.191945.8.31
瑞鶴1938.5.251939.11.271941.9.251944.10.251945.8.26

*1 34.0ktの資料もある。

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