【殲撃8II】(せんげきはちつー)

中国国産の超音速戦闘機。
中国語では殲-8II(殲撃8II)を「ジエン・バーツー」と呼ぶ、またJ-8IIやF-8IIとも言う。
NATOコードはJ-8II「フィンバックB」。

殲撃8IIは殲撃8の性能面の不満足から、新たに開発された機体である。
開発は1980年からで、機体のデザインはこれまで国産化されてきたMiG-17殲撃5)・MiG-19殲撃6)・MiG-21殲撃7)等ミグ戦闘機の鯉のぼり式エアインテークをサイドインテイク化(F-4に似た斜板付きの矩型エアインテーク)。
さらに機種には大型レドームを装着し、殲撃8ではライセンス生産だったエンジンも殲撃8IIでは国産の渦噴-13AII(WP-13AII)が採用された。1988年から量産化が始まり、現在は中国人民解放軍が400機程度運用している。なお、西側には1989年のパリ国際航空ショーで初めて公開された。性能は未だ謎が多いが、「現役の西側戦闘機より数段劣っている」と言う意見が多い。

性能諸元(殲撃8IIM)

全幅 9.35m
全高 5.410m
全長 21.59m
自重 10,000kg
最大重量 15,000kg
最高速度 M2.2
エンジン 渦噴13B(WP13B)(最大出力 4,800kg(アフターバーナー使用時7,000kg))2基
航続距離 2,000km
武装
23III型23mm連装機関砲1門
霹靂12アクティブ・レーダー誘導空対空ミサイル
R-27Rセミアクティブ・レーダー誘導空対空ミサイル
霹靂8赤外線誘導空対空ミサイル
霹靂5赤外線誘導空対空ミサイル
Kh-31A?空対艦ミサイル
LT-2レーザー誘導爆弾(雷霆2型)
LS-6滑空誘導爆弾(雷石6)
FT-1/3誘導爆弾(飛騰1型/3型)

殲撃8IIの主な種類。

  • 殲撃8II型:試作機・初期生産型。
  • 殲撃8IIM型:初期生産型の能力向上型。1995年から量産化され外面は殆ど変わらないが、内面を大幅改良。特にレーダーを新型のZhuk8IIパルスドップラー・レーダーにした事により、中国製戦闘機としては初めてルックアップ?ルックダウンの目標識別能力とR-27中射程空対空ミサイル運用能力が追加された。なお、固定武装として23mm機関砲を搭載している。
  • 殲撃8IIIACT-次世代戦闘機の技術開発用に製作された技術実証機。
    カナードとフライ・バイ・ワイヤ制御を導入。
  • 殲撃8H型:国産のKLJ-1パルスドップラーレーダーとWP13Bエンジンを搭載したJ-8B改修型。
    霹靂11の運用が可能になる。
  • 殲撃8F型:149X多モードレーダーや露製グラスコックピットを採用、エンジン出力を強化した多用途戦闘機型。
J-8IID.jpg

Photo:Chinese Defence Today

関連:殲撃7 殲撃8


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