【殲撃7】(せんげきなな) †

中国国産の超音速戦闘機。
中国語では殲-7（殲撃7）を「ジエン・チー」と呼ぶ、またJ-7やF-7とも言う。

殲撃7はMiG-21のライセンス生産版で、オリジナルMiG-21の基本性能の良さと、中国初のマッハ2級超音速戦闘機と言うこともあり、中国独自の発展型が数多く作られた。
1966年に国産第1号機が初飛行に成功し、1967年から量産化が始まり実戦配備についた。 1970年代に文化大革命?がエスカレートし、一時生産中止に追い込まれたが、1970年代半ばから量産が再開された。
因みに南昌飛機製造公司が開発したJ-12は、当機の就役の遅れを補う目的で開発されたが低性能だったため、結局物にならなかった。
現在では本機の発展型は非常に多く、いまだ未発表のタイプもあると言われている。
また、湾岸戦争やイラン・イラク戦争などの実戦にも使われた。　結果は…MiG-21と一緒で惨敗であった。
基本的な性能はMiG-21と大して変わりがないが、初期型の殲撃7I型は、30I型30mm機関砲を2門装備し、国産の成都 渦噴13（WP-13・A/B64.7kN）を搭載した事によりエンジン推力は5%向上している。　これらがMiG-21との違いである。
殲撃7の生産数は2500機以上で中国で使用されいる他、パキスタン、バングラディッシュ、イラク、エジプト、ジンバブエ、アルバニア、タンザニア、スリランカ等に輸出されている。　輸出型は使用国ユーザーの要望で搭載機器の一部（計器類、射出装置、通信機材等）が西側の製品に転換されている。
殲撃7は、今後も海外への売り込みは続けると思われるが、次世代の戦闘機に比べると能力がかなり落ちている。しかし、価格的に新鋭機を買う余裕が無い国にとっては、お手ごろの値段である。


性能諸元（殲撃7I）
全幅7.15m
全高4.10m
全長14.9m
自重5.270kg
最大重量7.500��
最高速度M2.0
航続距離1,740km
上昇限度18,800m
最大出力3,800�圈�アフターバーナー使用時6,100��)
航続距離1.800km

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殲撃7の主な種類 †

  • 殲撃7I型：初期生産型で1門だった30I型30mm機関砲を2門にした昼間戦闘機。少数生産。
  • F-7A型：I型の輸出型、渦噴7エンジンを渦噴7Bに換装。タンザニアとアルバニアに輸出された。F-7IAとも表記されることもある。
  • 殲撃7B型（殲撃7II）:II型の改良型、キャノピーを再設計しエンジンも強化され、機内燃料タンクの増設などが行われている。輸出型にはAIM-9サイドワンダー・R550?AAM?の運用可能。エジプト・イラク・スーダンに輸出。
  • 殲撃7IIA型：II型をベースに改良、西側製FCSを搭載しピトー管が機種下面から同上面に移設された。
  • F-7Mエアガード（殲撃7M型）：IIA型がベース、主に射出座席をさらに改善し、ハードポイントを4ヶ所に増設した型。バングラディッシュ、イラン、ミャンマー、ジンバブエ、イエメン共和国に輸出されている。
  • 殲撃7MP型：M型ベースの改良型で輸出機。各種新型アビオニクスを搭載し、多種多様な兵装を着けれるように、パイロンを２個増加、後方視界用リアビューミラー?を搭載している。
  • F-7Pエアボルト（殲撃7P型）：M型のパキスタン使用。AIM-9サイドワンダーAAM?を4発搭載。
  • 殲撃7PG型：J-7MGのパキスタン空軍型。0-0射出座席、ECM装置等を備える。
  • 殲撃7G型：2003年に初飛行したJ-7Eの発展型。
  • 殲撃7IIN型：ジンバブエに輸出された機体。
  • 殲撃7III型（J-7C）：殲撃7の全天候?型。MiG-21MFに似ており、少数生産された。
  • 殲撃7EB型：II型ベースでの能力向上型。主翼を大幅に再設計し、デブルデルタ翼が採用されている他、FCS等の電子装備の更新も行われている。中国のアクロチーム空中儀仗隊にも採用されている。
  • 殲撃7MG型：E型の輸出型。
  • FC-1（殲撃9）：スーパー７と呼ばれる近代化改修型。これまでの物より大幅に改修が加えられている。パキスタンに輸出。
  • 殲教7型（JJ-7、JT-7）：殲撃7の複座高等練習機。
  • 殲教7P型（FT-7P）：殲教7型の胴体を650mm延長したタイプ。
  • 殲撃7FS型：殲撃7型の最新型で1998年6月初飛行した実験機、機首上面にレーダーを搭載し、エアインテークはF-16同様胴体下面にある。
J-7E.jpg

Photo:Chinese Defence Today

関連:MiG-21


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