【榴弾砲】(りゅうだんほう)

Howitzer
曲射砲の一種で、臼砲より緩い放物線で砲弾を発射し、射程が長いもの。
臼砲よりも多い装薬で発射されるため負荷も大きく砲身も厚く砲基部も重くなるデメリットはあるが、臼砲より長い射程と高い精度のため現在でも砲兵科の主力である。
臼砲と同じく面制圧が目的であり、用いられる砲弾は榴弾が主体になる。
最近はMLRSなどのロケットが瞬間的な制圧力の点で存在が大きくなってはいるものの、持続性と経済性の高さにより榴弾砲の地位は揺らいではいない。

榴弾砲とカノン砲の違いは、基本的には内径に対する砲身長の比(口径)によって決められる。
おおむね、30口径までを榴弾砲とし、それ以上のものをカノン砲として分類されることが多かった。
しかし近年では、榴弾砲の長砲身化が進み、カノン砲にも匹敵する50口径前後という大きな口径のものも出現し、口径による区分が難しくなってきている。
そのため、榴弾砲とカノン砲の区別は、それが砲兵向けの曲射を主体としたものであるか、対戦車攻撃等のために平射を主体としたもの(主に戦車砲など)かによって区分されることも多くなっている。
ただし、長距離の曲射を目的とした砲でも、旧ソ連の2S7?のようにカノン砲として分類されていることもある。

この榴弾砲を車両に搭載するなどして自走可能にしたものを、自走榴弾砲と呼ぶ。


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