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*&ruby(だほ){【拿捕】}; [#q2207ae0]
船舶の内部に突入し、必要なら[[白兵戦]]を経た上で船内を制圧する事。~
調査目的の一時的な拿捕((無論、調査結果に問題がある場合はその限りでない。))は「臨検」、ある海域を通過する全ての船舶を拿捕する場合は「海上封鎖」と表記する。~

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国際法に基づく慣習として、司法・軍事上正当な理由なく船を拿捕する事は認められていない。~
つまり、合法的に拿捕を行う船舶は[[軍隊]]もしくは[[司法警察]]として所属を明らかにしていなければならない。~
また、[[軍隊]]は交戦国の[[戦闘艦艇>艦艇]]を含む船団、または戦時禁制品に類する品目を搭載した船のみ拿捕できる。~
[[司法警察]]は自国の[[領海]]内でのみ、犯罪容疑者の逮捕拘束および捜査に必要な場合に拿捕を行う事ができる(([[領海]]侵犯、海賊行為、違法漁業、密入国、密輸、亡命、国外逃亡が主たる容疑となる。&br;  ただし、海賊行為や海賊放送に従事する船舶については領海外であっても司法警察機関(日本では[[海上保安庁]])による拿捕が許されている。))。~
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拿捕は原則として非武装の民間船のみを対象とし、武装した船舶は原則として対象としない。~
そのような船舶にはまず武装解除を呼びかけ、これに応答しない場合は[[機関砲]]などで船ごと撃沈・殺害する((人質救出などのために止むを得ず拿捕する事もあるが、これは[[特殊部隊]]が損耗を覚悟して行う極めて危険な任務である。))。~
武装して船内に立て籠もる船員を[[歩兵]]によって制圧するのは極めて困難であるためである((海上では[[歩兵]]の[[機動力]]が著しく損なわれる上、船の構造が[[障害システム]]として機能する。))。~
海上では[[歩兵]]の[[機動力]]が著しく損なわれる上、船の構造自体が[[障害システム]]として機能するため、武装して船内に立て籠もる船員を[[歩兵]]によって制圧するのは極めて困難である。~
そのため、[[艦載砲]]や[[機関砲]]で反撃する船の拿捕は事実上不可能であり、海戦ではもっぱら砲撃・雷撃による撃沈を狙う。~
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[[艦載砲]]や[[機関砲]]で反撃する船の拿捕は事実上不可能であり、海戦ではもっぱら砲撃・雷撃による撃沈を狙う。~
現代の武装船舶を攻撃して無力化した場合、その船舶はほぼ確実に[[浸水]]・沈没するため拿捕できない。~
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戦時には敵国の補給艦および商船を拿捕・[[鹵獲]]する[[通商破壊戦]]がごく一般的である。~
各国の海軍はまずもって敵国の通商破壊、あるいはこれを防止する[[抑止力]]としての役割を期待される。((1930年代〜1940年代の日本海軍は作戦・用兵において海上[[兵站]]を軽視したため、国家経済の崩壊に至るほどの大損害を被った。&br;  とはいえ、[[艦隊決戦]]のみに特化しなければ各個撃破され[[海軍]]が壊滅していたであろう事も疑いないのだが。))~
[[戦闘艦艇>艦艇]]を[[鹵獲]]して船員を捕虜とする事もあるが、上記の理由から[[降伏]]した後にのみ行われる。~
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関連:[[鹵獲]] [[海兵隊]]


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