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*&ruby(れっぷう){【烈風】}; [#t4dce7c1]
三菱 A7M「烈風」~
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[[三菱>三菱重工業]]が[[大東亜戦争]]([[太平洋戦争]])中に開発した[[戦闘機]]。[[連合国]]でのコードネームは「Sam」。~
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当時、[[海軍航空隊>日本軍]]の主力戦闘機だった[[零戦>零式艦上戦闘機]]を上回る機体が出現するのに備え、昭和15年から三菱に開発が命じられていたが、零戦や[[一式陸上攻撃機]]の性能向上のための対応、及び[[雷電]]の再設計に追われ、技術者の不足で一時中断していた。~
その後、昭和17年に開発を再開した。~
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零戦と同等の航続力や機動性に加え、更に最高速度を639km/hに上げ、上昇力も6分/6,000mとしたことから相当厳しい要求であった。~
特に[[翼面荷重]]値の制限が厳しく、それに対して[[主翼]]の面積を増やすことにより解決を試みたため、翼面馬力比に欠け、運動性能は芳しい物ではなかった。~
特に[[翼面荷重]]値の制限が厳しく、それに対して[[主翼]]の面積を増やすことにより解決を試みたため、翼面馬力比や[[馬力荷重]]に欠け、運動性能は芳しい物ではなかった。~
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当初、三菱航空機は自社製の「[[ハ43]]」エンジンを搭載する予定であったが、開発が先行していた「[[誉]]22型」エンジンに変更された。~
また、軍部からの度重なる要求変更が更に開発を困難にした。~
こうした経緯をもつ「A7M1」試作1号機は昭和19年4月にようやく完成するものの、[[誉]]22型エンジンは十分な性能を発揮せず、最高速、上昇力不足が解消できなかったことから開発は暗礁に乗り上げた。~
この時点で[[艦上戦闘機]]としての開発は中止された。~
こうした経緯をもつ「A7M1」試作1号機は昭和19年4月にようやく完成するものの、[[誉]]22型エンジンは所定の性能を発揮せず((この時期に生産された「誉」は不具合が多発していた))、最高速、上昇力不足が解消できなかったことから開発は暗礁に乗り上げた。~
また、この時点で日本海軍の[[空母]]艦隊は壊滅しており、[[艦上戦闘機]]としての開発は中止された。~
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昭和19年10月には、開発中の烈風高高度性能向上型(のちの烈風改)の実験機として改めて「[[ハ43]]」を搭載した「A7M2」が要求性能を達成し、昭和20年6月には「烈風一一型」として[[制式]]採用が決定した。~
しかし、ハ43、機体共に量産体制は絶望的で、試作機8機の完成で終戦となった。~
**性能諸元[#s7330c8d]
|CENTER:形式名|CENTER:十七試艦戦&br;（試製烈風）|CENTER:烈風一一型|
|CENTER:機体略号|CENTER:A7M1|CENTER:A7M2|
|CENTER:乗員|>|CENTER:1名|
|CENTER:全長|CENTER:10.995m|CENTER:11.040m|
|CENTER:全幅|>|CENTER:14.0m|
|CENTER:全高|>|CENTER:4.23m|
|CENTER:翼面積|>|CENTER:30.86��|
|CENTER:空虚重量|CENTER:3,110kg|CENTER:3,267kg|
|CENTER:正規全備重量|CENTER:4,410kg|CENTER:4,719kg|
|CENTER:[[発動機>エンジン]]|CENTER:中島/海軍空技廠 [[誉二二型>誉]]&br;[[空冷>空冷エンジン]]星型複列18気筒×1基&br;（離昇2,000馬力/1,471kW）|CENTER:三菱 [[「ハ四三」一一型（MK9A）>ハ43]]&br;空冷星形18気筒×1基&br;（離昇2,200馬力/1,678kW）|
|CENTER:最大速度|CENTER:574.1km/h（高度6,190m）|CENTER:624.1km/h（高度5,760m）|
|CENTER:[[上昇力>上昇率]]|CENTER:9分54秒/6,000m(11.24m/s)|CENTER:6分5秒/6,000m(16.44m/s)|
|CENTER:[[上昇限度]]|CENTER:-|CENTER:10,900m|
|CENTER:[[航続距離]]|CENTER:全力30分+2,315km（増槽あり）|CENTER:1,600km&br;全力30分+1,960km（増槽あり）|
|CENTER:[[翼面荷重]]|CENTER:143kg/��|CENTER:153kg/��|
|CENTER:[[馬力荷重]]|CENTER:334W/kg|CENTER:380W/kg|
|CENTER:武装|CENTER:九九式二号四型20mm機銃×2挺&br;（翼内・携行弾数各200発）&br;三式13.2mm機銃×2挺&br;（翼内・携行弾数各300発）|CENTER:九九式二号四型20mm機銃×4挺&br;（翼内・携行弾数各200発）|
|CENTER:爆装|>|CENTER:30kg又は60kg爆弾×2発|
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**派生型 [#a4e619f5]
-十七試艦上戦闘機/試製烈風（A7M1）：~
誉二二型（離昇2,000馬力）を装備した試作型、試作8機のみ。~
初期試作機と後期試作機では燃料タンク配置や防弾装備が異なる。~
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-烈風一一型（A7M2）：~
発動機を[[ハ43]]一一型（離昇2,200馬力）に換装した型。~
発動機以外は基本的にA7M1後期試作型とほぼ同じ装備を持つが、カウリング設計がハ43の直径に合わせて太いものに変更されている。~
生産型では武装を九九式20mm機銃4挺に強化し、発動機を高高度性能の向上したハ43一二型（離昇2,150馬力）に換装する予定だった。~
艦上戦闘機ではなく[[局地戦闘機]]として採用されるが、量産一号機の完成直前に終戦。~
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-烈風改（A7M3-J）：~
発動機を[[排気タービン]][[過給器]]付きの[[ハ43]]一一型ル（離昇2,200馬力）に換装、武装を翼内30mm機銃4挺、胴体30mm斜銃2挺に強化した高高度型。~
発動機の換装と排気タービン過給器の装備、武装強化のため[[操縦席>コックピット]]周辺と尾翼を除く機体の大半を改設計した。~
試作機の製作準備中に終戦。~
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-烈風性能向上型：~
A7M2の発動機を一段三速過給器付きの[[ハ43]]五一型（離昇2,130馬力）に換装、武装を翼内20mm機銃6挺装備に強化した高高度型。~
開発開始当初の名称は“仮称烈風三速”。試作機の製作準備中に終戦。~
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-次期甲戦闘機：~
A7M2またはA7M3-Jをベースにした機体に二段三速過給器付きのハ四四-二一型（離昇2,400馬力）を搭載した高高度戦闘機型。~
堀越二郎著『零戦』において二十試甲戦として紹介されている。計画のみ。~
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