【劣化ウラン弾】(れっかうらんだん)

弾芯に劣化ウラン(減損ウラン)を使用した徹甲弾を特にこう呼ぶことがある。

劣化ウランとは、天然ウラン鉱石からウラニウム?を取り出したあとのもので、いわばウラニウムの絞りのカスのようなものだが、比重が鉄の2.2倍、鉛の1.7倍と大きく、そのうえ貫徹時に燃焼して内部の乗員を殺傷する焼夷弾効果があるなど、砲弾として非常に優れた性質を持っている。 元が廃棄物であるのでタングステン合金などに比べて桁違いに安価なため、主に機関砲弾や戦車砲?弾で数多く採用されている。

劣化ウラン弾そのもの自体は放射線が非常に小さいが、問題となるのは貫徹、燃焼後に放射線を発する微粒子(エアロゾル状)になって大気中にまかれ、吸い込んだ者が体内被曝を起こす事に有る。2度の戦争でこれをアメリカ軍に多用されたイラクで幼児性の発ガン率が高い事から、クラスター爆弾燃料気化爆弾などと同様に非人道兵器として物議をかもしている。
なお、米英政府の公式発表においては現在のところ医学的に関連は証明されていないが、一般的には劣化ウラン弾が原因であるとの見方が強い。

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