*&ruby(れっかうらんだん){【劣化ウラン弾】}; [#s2e756f3]
弾芯に劣化ウラン(天然ウラン鉱石から[[ウラニウム]]を取り出した後の廃棄物)を使用した[[徹甲弾]]を特にこう呼ぶことがある。DU弾とも呼ばれる。~
ただし、政治・人権上の議論対象となった概念の宿命として定義が不正確になっているきらいがある。劣化ウランの害について言及される場合は、字義通り劣化ウランを使った弾丸(あるいは弾丸のようなもの……[[爆弾]]や[[ミサイル]]も含めて)全てを指すものと考えて差し支えないだろう。

劣化ウランは比重が鉄の2.2倍、鉛の1.7倍と大きく、そのうえ貫徹時に燃焼して内部の乗員を殺傷する[[焼夷弾]]効果、命中時に[[装甲]]に食い込みながら弾頭が削られ、先が尖ったまま浸徹するセルフシャーピング効果等があるなど、砲弾として非常に優れた性質を持っている。~
元が廃棄物であるのでタングステン合金などに比べて桁違いに安価なため、主に[[機関砲]]や[[滑腔砲]]で採用されている。~
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貫徹、燃焼後に放射線を発するエアロゾル状の微粒子が大気中に撒かれて[[被曝]]する危険性が指摘されており、[[クラスター爆弾]]、[[燃料気化爆弾]]などと同様に非人道兵器として物議をかもしている。~
[[アメリカ軍]]が劣化ウラン弾を多用したイラクでは幼児性の発ガン率が上昇している事がその論拠だが、米英政府の公式発表においては現在のところ医学的に関連は証明されていない。~
戦場になった場所での健康被害は非常に複雑な事象であり、劣化ウランがどこまで関与しているかは定かでない。体内被曝を起こしたとしても発癌確率はタバコの副流煙と比較すれば無視して良いリスクだとする説もある。~
一方で、重金属であるウランを体内に入れること自体が水銀と同様に健康被害を起こすのであり、劣化ウランによる健康被害のほとんどはこれだという説もある。~
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関連:[[湾岸戦争症候群]] 

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