*&ruby(いおうとう){【硫黄島】}; [#o49882fa]
東京から南に約1200km離れた太平洋上にある、日本領の火山島。~
かつては「いおうじま」が公式な呼称(([[アメリカ海軍]]が使用している[[強襲揚陸艦]]「[[イオージマ]]」の名前もこれに由来する。))であったが、2007年以降、国土地理院・[[海上保安庁]]では「いおうとう」と呼称している。~
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東西8km、南北4kmの火山列島（硫黄列島）中最大の島で、行政上は東京都小笠原村に属している。~
地下に無数の[[不発弾>不発]]や遺骨が埋まっていて回収困難なため、一般人の上陸は原則として禁止されている((ただし、戦没者の慰霊祭においては一般人の上陸も許可される。))((そのため、島に滞在する人々は島の住所で住民登録をすることができず、本土側に住民票を置いている。&br; 郵便や宅配便も直接送ることができないため、島に滞在する人々への物資や郵便物は、「海上自衛隊[[厚木航空基地>厚木海軍飛行場]]気付」もしくは「航空自衛隊[[入間基地]]気付」として送付し、そこから自衛隊内部での搬入扱いとして送られる。))。~
後述のとおり、[[海上自衛隊]]および[[航空自衛隊]]の基地が設営されており、[[自衛官]]が常駐している((海上・航空自衛官の他、不発弾処理の資格を持つ陸上自衛官も駐屯している。))。~
海風や[[台風]]のため基地施設の改修が常時行われており、その作業に従事する建設業者の住宅施設も存在する他、本土との電話回線を維持するため、数名のNTT社員も常駐している。~
また、防災上の観点から火山観測が必要とされるため、国土地理院や気象庁の職員が定期的に来島する。~
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民間に開放された[[空港]]は存在しないが、基地内の[[飛行場]]は軍事用にも関わらず3レターコードが設定されている。~
上記の理由で定期的な往来がある他、民間機の緊急着陸や、周辺の離島から急病患者を緊急搬送する際に利用される事がある。~
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近隣住民への配慮がほぼ不要なため、日本本土では実施出来ない軍事演習を目的として[[在日米軍>在日アメリカ軍]]・[[自衛隊]]に活用されている。~
実際に[[機雷]]を撒いての掃海訓練、[[夜間離発着訓練>NLP]]などの航空演習・実験飛行などが行われている。~
また、日本で唯一、[[陸>陸上自衛隊]]・[[海>海上自衛隊]]・[[空>航空自衛隊]]の三[[自衛隊]]の統合的作戦演習が可能な場所でもある。~
***硫黄島航空基地 [#ld65a11f]
上記のとおり、硫黄島の[[飛行場]]は[[自衛隊]]の管理下にあり、[[海上自衛隊]]・[[航空自衛隊]]が部隊を駐留させている。~
駐留部隊は次の通り。~
-[[海上自衛隊]]
--[[自衛艦隊]]航空集団
---第4航空群~
硫黄島航空基地隊
---第21航空群~
第73航空隊硫黄島航空分遣隊（[[UH-60J>UH-60]]を装備）
-[[航空自衛隊]]
--中部航空方面隊
---硫黄島基地隊((指揮命令系統上では[[入間基地]]の分屯基地扱い。))
飛行場の空港情報は以下の通り。
|種別|軍用|
|[[滑走路]]|07/25(2,650ｍ×60ｍ)&br;07/25(2,650ｍ×30ｍ(([[平行誘導路>誘導路]]であるが、緊急時には滑走路としても利用可能。)))|
|3レターコード|IWO|
|4レターコード|RJAW|
|[[ILS>計器着陸装置]]|不明|
|設置・管理者|[[防衛省]]（[[海上自衛隊]]）|
**戦災について [#l2a0d9a2]
硫黄島は[[太平洋戦争]]末期に戦場となった事で特に有名。（[[硫黄島の戦い]]）~
昭和20年2月に、アメリカの上陸部隊約61,000人・後方支援約220,000人（[[海兵隊>アメリカ海兵隊]]第3・第4・第5海兵師団主力）と、[[日本軍]]約20,000人（陸軍小笠原兵団（第109師団等）主力）との間で戦闘が発生している。~
日本軍は一ヶ月に渡って[[死守]]を続け、[[玉砕]]・占領された。~
最終的な被害は死者約20,100人・負傷者約1,000人。~
一方、アメリカ側も一連の上陸作戦で死者約6,800人・負傷者約21,800人という甚大な出血を強いられている。~
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占領後、島は本州爆撃の中継および[[護衛戦闘機>戦闘機]]の基地として整備・使用されている。~
終戦後もアメリカの統治下で空軍基地として運用されつづけ、昭和43年（1968年）6月26日に日本に返還された。
