【陸曹航空操縦学生】(りくそうこうくうそうじゅうがくせい)

陸上自衛隊の航空部隊で、ヘリコプター航空機の操縦に携わるパイロットを養成する課程。
英文表記では「FEC(Flight Enlistedman Course)」と呼ばれている。
海上自衛隊航空自衛隊の「航空学生課程」と同様、陸自の現役パイロットの大半はこの課程を修了している*1

人材は陸自内部での選抜試験により集められており、その受験資格は「三等陸曹の階級にあり、三曹任官後1年以上勤務した26歳未満の現役隊員自衛隊生徒出身の応募者が最も多いという)」とされている。
隊内での選抜試験に合格して学生に任命されると、航空学校(三重県・明野駐屯地所在)で1年9ヶ月間の操縦教育を受ける。
操縦教育修了後、2年間の部隊勤務を経て幹部候補生学校(福岡県・前川原駐屯地所在)に入校し、6ヶ月間の幹部教育の後三等陸尉に任官され、引き続き航空部隊で勤務する。

海自・空自のパイロット候補生との差異

航空学生の項にもある通り、海自・空自のパイロット候補生は、最初からパイロット要員として人材を募集し、自衛官としての基礎教育から一貫した養成を行っているが、陸自のこの課程は、地上部隊での勤務を経験した現役隊員からの選抜試験により人材を登用して養成することに特徴がある。

陸自ではこの差異について
「これによって『空地の連携が良好』な操縦士を養成でき、航空科職種の『航空至上化』を防ぐ効果もある」*2
という見解を採っている。


*1 この他、防衛大学校や一般大学の卒業者も少数ながらいる(これは海自・空自と同様)。
*2 ただし、陸自の組織における航空科職種の役割が限定されていることもあって、パイロットの地位は海自や空自に比べて相対的に低いという。

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