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*&ruby(とね){【利根】}; [#rbc0d932]
関東地方を流れる大河「利根川」(原義)。~
後述のとおり、[[日本海軍>日本軍]]や[[海上自衛隊]]の艦名として採用されている。

**防護巡洋艦「利根」 [#y598f898]
1900年代、[[日露戦争]]直後の臨時軍事費で建造された[[防護巡洋艦]]。~
設計は先に建造された「吉野」を参考にしたが、従来の艦にあった艦首の[[ラム]]は廃止され((これは、日露戦争で「吉野」が装甲巡洋艦「春日」に追突された際、ラムにより被害が拡大して沈没してしまったことを教訓としたものである。))、クリッパー型の艦首となった。~
また、エンジンには[[レシプロエンジン]]を採用したが、これは日本海軍の艦艇で最後の採用例となった。~
主砲は「吉野」と同じ15cm砲と12cm砲を混載し、砲の配置も同一であるが、重量削減のため15cm砲2門を12cm砲に変更している。~
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[[第一次世界大戦]]では青島攻略戦に参加し、更に南シナ海・インド洋での作戦に従事した。~
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その後、旧式化により1931年に除籍され、1933年に奄美大島近海で標的艦として沈められた。

その後、旧式化により1931年に除籍され、1933年に奄美大島近海で標的艦として沈められた。~
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|>|CENTER:''スペックデータ''|
|主造船所|佐世保海軍工廠|
|起工|1905.11.27|
|進水|1907.10.24|
|就役|1910.5.15|
|除籍|1931.4.1|
|備考|1933.4.30 標的艦として撃沈|
|[[常備排水量>排水量]]|4,113t|
|全長|109.7m(垂線間長)|
|水線長|113.8m|
|全幅|14.3m|
|吃水|5.12m|
|主缶|宮原罐・石炭重油混焼×16基|
|主機|レシプロ蒸気機関(直立型往復動4気筒3段膨張式)×2基2軸推進|
|出力|15,000馬力|
|[[燃料]]|石炭:900t&br;重油:124t|
|最大速力|23.0ノット|
|[[航続距離]]|N/A|
|乗員|370名|
|兵装|45口径15cm単装砲×2基&br;45口径12cm単装砲×10基&br;45口径7.6cm単装砲×4基&br;45.7cm水上魚雷発射管×2基|
|[[装甲]]|甲板傾斜部:76mm|
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**重巡洋艦「利根」 [#be64746d]
1934年(昭和9年)度予算で発注・建造された[[一等(重)巡洋艦>重巡洋艦]]。姉妹艦に「筑摩」がある。~
元々は「最上」型[[二等(軽)巡洋艦>軽巡洋艦]]((当時、[[ロンドン海軍軍縮条約]]での[[巡洋艦]]保有規制を満たすため、[[砲>艦載砲]]以外は[[重巡洋艦]]と同じ船体で造られていた。))の5・6番艦として計画されていたものだったが、設計変更により独立した艦型となった。~
船体は、艦橋より前部に[[主砲>艦載砲]]や[[魚雷]]発射管を集中させ、後部甲板を[[水上機]]の[[発進甲板>飛行甲板]]・待機所にした「[[航空巡洋艦]]」というべきスタイルであった。~
~
[[大東亜戦争]]では開戦時の[[真珠湾攻撃]]を皮切りに[[ミッドウェー海戦]]や[[レイテ沖海戦]]など、さまざまな海戦に参加、終戦直前まで生き残っていたが、昭和20年(1945年)7月の呉軍港空襲で[[アメリカ軍]][[艦載機]]の[[空襲>爆撃]]を受け、大破着底した状態で終戦を迎えた。~
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その後、1948年3月に浮揚・解体されている。~
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|>|CENTER:''スペックデータ''|
|[[排水量]]&br;([[基準>基準排水量]]/[[公試>公試排水量]])|11,213t/13,320t|
|全長|201.6m|
|全幅|19.4m|
|吃水|6.23m(公試)|
|主缶|ロ号艦本式罐・重油専焼×8基|
|主機|艦本式オールギヤードタービン×4基4軸|
|機関出力|152,189hp(公試成績)|
|最大速力|35.55[[ノット]](公試成績)|
|[[燃料]]|重油:2,700t(実測値)|
|[[航続距離]]|9,240海里/18ノット(公試成績)|
|乗員|定員869名(竣工時)|
|武装&br;(竣工時)|三年式50口径20.3cm連装砲×4基8門&br;八九式40口径12.7cm連装高角砲×4基8門&br;九六式25mm連装機銃×6基12挺&br;13mm連装機銃×2基4挺&br;九〇式3連装60cm魚雷発射管×4基|
|武装&br;(1945年時、機銃は推定)|三年式50口径20.3cm連装砲×4基8門&br;八九式40口径12.7cm連装高角砲×4基8門&br;九六式25mm機銃(3連装×14基42挺、連装×2基4挺、単装×21挺)&br;3連装61cm魚雷発射管×4基12門|
|[[装甲]]|舷側:145mm、甲板:35mm|
|航空機|水上[[偵察機]]×6機|
|設備|呉式2号[[射出機>カタパルト]]×2基|
|[[電探>レーダー]]&br;(最終時)|22号電探×3基、13号電探×1基|
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|>|>|>|>|>|>|CENTER:''同型艦''|
|艦名|主造船所|起工|進水|就役|除籍|備考|
|利根|[[三菱・長崎>三菱重工業]]|1934.12.1|1937.11.21|1938.11.20|1945.11.20|1945.7.28&br;能美島(江田島湾)に停泊中、&br;空襲により大破、着底&br;(呉軍港空襲)&br;1947.4.7 解体に着手&br;1948.5.4 浮揚&br;1948.9.30 解体完了|
|筑摩|~|1935.10.1|1938.3.19|1939.5.20|1945.4.20|1944.10.25&br;比島沖海戦(サマール島沖海戦)において&br;米軍機の空襲により被爆大破&br;[[駆逐艦]]「野分」の雷撃により自沈処分|

**護衛艦「とね」 [#t8cf5fa9]
JMSDF Tone DE-234.~
~
[[あぶくま]]型[[護衛艦]]の6番艦。1991年竣工。~
現在は呉を母港とし、「第12護衛隊」の一艦として活躍している。~
~
艦の詳細は[[あぶくま]]の項を参照のこと。
>なお、本艦以後、海自で「DE」記号を持つ護衛艦は建造されていない。


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