【用途廃棄】(ようとはいき)

自衛隊に於ける用語で、運用寿命の尽きた物資を処分する事。略して「用廃」。
基本的にはゴミ・産業廃棄物として廃棄されるが、別用途で再利用される事もある。

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F-104J 697号機。1980年那覇基地での姿。

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上記機体の2001年の姿。千葉県某所国道沿いで放置中。

物資の横流し

用途廃棄は、軍人と交流を持つ犯罪結社*1にとっては密売を行う絶好の機会でもある。
書類上では用途廃棄されているはずの軍事物資が、実際には地下ルートで密売されていた、という事例は少なくない。

当然、銃火器や機密物資の横流しは犯罪であり、大抵の軍の内部法規に抵触する。
またそもそも、官給品を売却して個人的な収入を得る事自体が横領の罪に問われる。

どれほど厳格な軍隊でも、消耗品を自宅に持ち帰る程度の軽微な事例は必ず散見される。
それをどこから横領とみなし、どの程度まで厳密に処罰するかは個々の軍による。
一般論として、軍事機密や多額の金銭に関わる事例でなければ黙認される事は多い。

例えば、自衛隊では戦闘糧食に関する「黙認された不祥事」が妙に多い。


*1 軍人が休暇に歓楽街で遊ぶ事を禁じる法律は基本的にないし、あっても遵守されない。
  そして、犯罪結社の勢力下に置かれていない歓楽街などというものは絶対に存在し得ない。
  職業犯罪者が賄賂や脅迫などで軍人と繋ぎを持とうと思えば、標的を探すのは決して難しい事ではない。


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