【無限軌道】(むげんきどう)

車両の駆動系の一種。
俗に「キャタピラ」*1とも呼ばれるが、これは米国・キャタピラー社の登録商標である。
(この他に「クローラー」「トラックベルト」「履帯」という言い方もある)

エンジントルクで金属やゴム製のベルトを回し、地面との摩擦を利用して前に進む。
一般的には、ベルトを車体の左右に一対ずつ備え、左右の回転速度を変える事で方向転換(超信地旋回など)を行う。

タイヤに比べて接地面積を大きくでき、不整地の走破も容易であるため、戦車を筆頭とする戦闘車輌・農業機械・建設機械・雪上車に採用されている。
反面、機構が巨大な上に動力効率が悪く、騒音や振動も大きいため、舗装された道路上を高速で走る用途には向かない。*2
また、ベルトが一箇所でも切断されると走行不能になり、交換修理や整備も煩雑である*3


*1 日本の法令用語では「カタピラ」と呼ばれている。
*2 効率が悪いという面もさることながら「刃」のついたベルトで地面を引っ掻きながら進めば、路面がどうなるかは想像に難くない。
  そのため、道路を走るときはゴム製のカバーを履かせて路面が傷まないようにするのが普通。

*3 近年の対テロ・ゲリラ戦では、地雷IEDで行動不能にされる危険が大きくなるため、市街地での戦闘を重視した部隊では装輪式車両が多く使われる。

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