【防衛出動】(ぼうえいしゅつどう)

自衛隊法で定められた、自衛隊の行動に関する規定のひとつ。

外部からの武力攻撃、または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると判断された*1際、日本国の独立を防衛するために、内閣総理大臣の命令に基づいて自衛隊の一部または全てが出動すること。
内閣総理大臣は防衛出動を命じるに当たり、事前に安全保障会議と閣議を開催し、答申を得た上で国会の承認を得なければならない。
ただし、緊急の場合は国会の承認を事後に得ることを条件として、自衛隊の出動を命じることができる。

防衛出動が発令されれば、自衛官は定年・任用期間を延長され、予備自衛官は防衛招集を受ける。
さらに自衛隊の任務遂行上必要がある場合には、物資の収用・業務従事命令等が発せられ、自衛隊法88条に基づき、「我が国を防衛するため、必要な武力行使」として武器を使用することができる。
防衛出動発令下での自衛官の離隊・抗命などは、自衛隊法により7年以下の懲役または禁錮の刑に処せられる*2

2013年の現在に至るまで、自衛隊に防衛出動が発令されたことはない。


*1 主に想定されているのは「正規軍による空爆・ミサイル攻撃もしくは着上陸侵攻」と見られている。
  ゲリラ特殊部隊による不正規戦については「国民保護等出動」により対応されるものと見られる。

*2 自衛隊には軍法会議の規定がないためこうなっているが、他国では敵前逃亡として死刑・終身刑などの極刑に処せられることが多い。

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