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*&ruby(ほうしゃのう){【放射能】}; 放射性物質が[[放射線]]を出す性質・能力、もしくはその現象。~ *&ruby(ほうしゃのう){【放射能】}; [#u3a3ce0e] [[放射性物質]]が放出している[[放射線]]の強さ。~ あるいは、ある物質が[[放射性物質]]であるという事実。~ 慣用表現として、安全限度を越えて人体に有害な放射能を持つ[[放射性物質]]そのものを指す語としても使われる。~ ~ 放射能の単位としては「ベクレル(Bq)」が使われる。~ 原子核が1秒間に1個崩壊するのを1ベクレル、または1壊変毎秒と称する。個々の[[放射線]]が持つエネルギー量とは無関係。~ ベクレルは[[放射性物質]]の質量に比例して増加する。~ [[原子炉]]燃料の[[ウラン235>ウラン]]は約7万Bq/g、劣化ウラン(ウラン238)は約12400Bq/g、[[プルトニウム239>プルトニウム]]は約23億Bq/g。~ ~ 実際には、単に放射能の強弱だけでは人体への[[被曝]]量は量れない。~ 発生する放射線が遮蔽の容易なα線であれば、体内に吸い込んでしまったか、よほど長時間か多量に触れていない限り実質的な被害はない。~ 一方、X線であれば相当に離れていても[[被曝]]したものとみなすべきだが、放射能の量に比べて実質的な[[被曝]]の深刻さにはかなりの余裕がある。~ また、当然ながら事故に対する対策も被害を著しく増減させる。 一般的な核物質として~ 物質 半減期(年) 放射能(GBq/g) 用途~ U235 7.04x10^8 7.11x10^(-5) 原子炉核燃料~ U238 4.47x10^9 1.24x10^(-5) 劣化ウラン~ Pu239 2.41x10^4 2.30 高速増殖炉~ となる。~ > 現代の[[原子炉]]で事故が発生した場合、全ての職員が事故対策を熟知しているため直接の人的被害は軽微に留まる可能性が高い。~ 一方、チェルノブイリ原発事故では部外者を駆り出して事情すら通達しないまま消防活動を展開し、これが人的被害の主たる原因となった。~ ~ 例えば、プルトニウムはウランよりも数万倍も放射能が高い。そのため、少量でも危険といわれる。また、放射能が高い物質は半減期も短い傾向になる。~ ただ、[[放射線]]の項でもあるように「放射能=人体への被害」では必ずしもない。自然の状態ではα線を主に出すため、皮膚に付いた程度では洗い流すだけでよい。問題となるのは、呼吸や食事により体内に摂取してしまった場合である。その場合、プルトニウムの放射性毒性が存分に発揮されることになる。~ 体内に入ってしまった場合、キレート剤で排出を促す。 また、医療用の放射性物質が少量紛失しただけでも惨禍をもたらした例がある(子供が拾って面白がり、剥き出しの状態で近所に配り回ったという)。 一般的に「放射能漏れ」という表現がよく使われるが、これは「性質」や「現象」が漏れるということになるため、誤りである。~ 正確に言うとすれば「放射性物質漏れ」や「放射線汚染物質漏れ」のようになる。