【歩兵砲】(ほへいほう)

Infantry Gun

曲射砲の中でも榴弾砲に類し、自走砲でなく、専門の砲兵ではなく歩兵が運用するもの。
近年では戦車の登場によって需要が大幅に縮小している。

あまり定義の明快な語ではない。
野砲山砲なども歩兵が運用していれば歩兵砲である。対戦車砲を歩兵砲と呼ぶ事も多い。
また、迫撃砲が歩兵砲に含まれる場合もあれば除外される場合もある。

近年、歩兵砲は基本的に迫撃砲無反動砲対戦車ミサイルを指す。
定義上これらを歩兵砲に分類せず、歩兵砲は完全に存在意義を失って戦場から消えたと見る向きもある。

多くの場合、歩兵砲の存在は砲兵科と歩兵科との間での政治的・官僚制度的な対立を誘引する。
このため、砲兵科の職分を侵さないよう破壊力や有効射程などが故意に落とされたり、旧世代の兵器を割り当てられる場合が多い。

とはいえ、それが戦略的に不適切であるとも言い切れない。
砲兵に適した命令は砲兵に命じればいいのだから、砲兵の特性全てを歩兵が備える必要はない。
歩兵砲兵よりも接近した位置で敵と相対するため、危害範囲や有効射程はある程度まで犠牲にしても良い特性である。


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