【平和主義】(へいわしゅぎ)

紛争軍事に対して一切反対の立場を取り、恒久的な非暴力的平和を目指す思想。
『平和』という概念に対する信仰に立脚する宗教活動であり、学術的論証は近年ほとんど行われていない。

原理として「正当な暴力」の存在を認めない立場を取り、正当防衛・緊急避難についてもこれを認めない。
また、司法警察?軍隊などが行使する、文民統制に基づく公的で合法な暴力についてもこれを認めない。

この原理原則に対して忠実であろうとすると、そもそも生存する事ができない*1
したがって、思想の実践としてはどこに妥協点を置くかが主な焦点となる。
ほとんどの平和主義者は「自分自身や家族が暴力に関与する事を認めない」という以上の主張を行わない*2
問題を国家や世界全体まで拡大して平和主義を唱えるのは政体の変更を望む事と同義であり、政治的リスクを伴う。

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*1 個人の責任という観点から厳密に平和主義に従うなら、平和主義者は暴力による庇護を受けるべきではない。
  そして、地球上に現存する全ての法秩序は暴力的な抑止力に依存する。

*2 徴兵制を敷く国家では、この程度でも生命や社会生活を破壊する危険性がある。
  また実際、死の危険を他人に押しつけて平和の配当だけを受け取っているのだから、公共の利益という観点で言えば害悪である。


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