【紛争】(ふんそう)

個人、企業、国家、民族、門地、マフィア、宗教集団、政府組織などが平和裏に共存共栄できなくなり、双方が相手の財源の奪取、言論の封殺、殺戮などを目的として行動し始める事。およびその行動の結果として起こる事のすべて。
当事者の双方が国家であり、公的な宣戦布告が為されている場合、そのような紛争を特に「戦争」と呼ぶ。

無力な犠牲者に対する一方的な攻撃(および、おそらくその後に起きるであろう刑事裁判)は含まない。
同様の理由から警察などの政府組織による民衆の弾圧も、反抗勢力が存在しない場合は紛争とみなさない。
特に注釈なく「紛争」と呼ぶ場合は、現地の治安維持当局の処理能力を超えた暴力や犯罪が横行して治安が崩壊した状態を指す*1

アメリカ政府では、軍事力の行使が必要になるような紛争を次に掲げる3段階に区別している。

  • 低強度紛争
    現地の政治・経済基盤が法治主義を尊重していない、または法による統治を維持できていない状態。
    民兵テロリストが継続的に活動している、観光旅行が不可能なほど治安が悪化しているなど。
  • 中強度紛争
    紛争当事者の一方または双方が国家そのものであり、すでに軍隊が展開されている状態。
    一般的な意味での「戦争」の多くが含まれるが、必ずしも国家総力戦であるとは限らない。多くは非対称戦争
  • 高強度紛争
    核兵器保有国などの外交上きわめて重要な国家が国家総力戦体制に移行している状態。
    経済的、社会的、外交的な影響は全世界規模に波及する。キューバ危機など。

*1 定義上、訴訟や買収などの合法的手段のみを用いる紛争も存在する。しかしそれらを「紛争」と呼ぶのは多分に慣用表現であってあまり公的ではない。

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