*&ruby(ふくごうそうこう){【複合装甲】}; [#k5265d7e]
Composite Armor.~

[[装甲]]のうち、様々な物質を複合的に用いて形成されているものの総称。~
合金のように原料段階で混ぜ合わせているのではなく、各素材で板を作ってから重ねているのが特徴。~
密度・硬度・強度・靭性・延性などの物性が異なる複数種類の物体を重ね合わせ、個々の素材の質的弱点を補い合う。~
~
現時点では最も質量効率の良い[[装甲]]を実現できる手法で、特に[[戦車]]運用において革新をもたらした。~
[[主力戦車]]においては、複合装甲の登場以前を第2世代、複合装甲を採用した車種が第3世代以降に分類される。

>[[主力戦車]]の第2世代は冶金学の技術的限界に直面していた世代であり、[[RPG]]や[[対戦車ミサイル]]で容易く撃破された。~
翻って第3世代[[主力戦車]]の場合、[[歩兵]]レベルの対戦車火器では車体正面の複合装甲を貫通できない。

冶金学・材料工学の複雑な知見が応用されており、最新の軍事科学が投入されている機密性の高い分野でもある。~
このため、公表されている資料から性能を推し量るのは難しい。~
また、同じ複合装甲でも用途や製造年代によって性能や特性が異なるし、異なる特性を付与しやすい。~
~
ほぼ全ての複合装甲に言える総体的な特徴として、以下のような特性が上げられる。

-セラミックなど硬く割れやすい素材が含まれるため、冗長性では圧延装甲に劣る(被弾による劣化が生じやすい)ものと推定される。
-交換修理および近代化改修の頻度を踏まえ、装甲材の交換を容易に行える構造で設計されている事が多い。
-複数の素材を個別に用意してから成型する製造工程の関係上、曲線的な形状を実現するのが著しく困難。~
--この性質のため[[避弾径始]]を実現できず、複合装甲を持つ兵器は丸みのない角張った形状になりがち((とはいえ、それでも十分な防御力が確保出来る場合が殆どで、複合装甲が想定する兵器には避弾径始が通用しないものも多い中、あえて丸みを持たせる理由は失われている。))。

関連:[[主力戦車]] [[中空装甲]] [[爆発反応装甲]]

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS