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*&ruby(ふくむのせんせい){【服務の宣誓】}; [#u9846c25]
[[自衛隊]]において、新たに[[自衛官]]となった者が任官の際に行う、自衛官としてなすべき基本的な心構えを示した宣誓、及びその文章。~
新たに公務員となった者が任官に際して行う宣誓。~
基本的には就職・任官に際して執り行われる。~
[[士官]]学校などの入学・卒業に際して執り行われる事もある。~
~
自衛隊法及びその施行規則によって定められたもので、入隊の際、宣誓文を記した宣誓書に記名捺印をすることにより行う((入隊式などの映像では、ラミネートカード化された宣誓書の文面を入隊者全員が一斉に唱和するシーンが見られる。))。~
本質的には就職に伴う法的な契約であり、関連法規や施行規則などを記した宣誓書への記名・捺印をもって成立する。~
大抵は式典と併せて行われ、宣誓書の全文を朗読するなどの通過儀礼を伴う。~
~
一般的には任期(非任期)制[[隊員>自衛隊員]]として入隊した際に行うが、[[防衛大学校]]及び[[防衛医科大学校]]の学生は入学した際、[[予備自衛官]]・[[即応予備自衛官]]及び[[予備自衛官補]]は採用された際、幹部自衛官は三尉任官の際(([[防衛医官]]・歯科医官・大学院修了後に幹部候補生学校を卒業した者については、初任階級となる二尉任官の際に行う。))に、それぞれの職務に応じた宣誓を行う。
基本的には公的機関への就任に関するもののみを指す。~
企業・[[武装集団>民兵]]・[[テロ組織>テロリスト]]・秘密結社などでも類似の式典を執り行う事があるが、これは内部的な慣習であって法的な意味を持たない。~

**宣誓文の種類 [#e98e5248]
服務の宣誓を行う際、宣誓書には以下のような文面が記されている。~
以下にその内容を挙げる。~
-一般の服務の宣誓(根拠法令:自衛隊法施行規則第39条。以下、この項においては条文の数字のみを記す)~
 私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、技能をみがき、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。
>ただし多くの場合、そもそも服務の宣誓にいかなる法的意味があるのかについて議論の余地がある。~
多くの国家・多くの法律が、服務の宣誓が拒否された場合についての原則を定めていないためである~
一般的には、宣誓の拒否は[[任官拒否]]([[徴兵制]]であれば[[良心的兵役忌避]]または[[敵前逃亡]])であると解釈される。~
しかし雇用契約書が別途に用意される場合、宣誓を拒否した者がそのまま職務を執り行う事もあり得る。

-学生の服務の宣誓(40条)~
 私は、防衛大学校学生(防衛医科大学校学生)たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、全力を尽して学業に励むことを誓います。
**日本国における服務の宣誓 [#bf2aa99a]
日本においては、以下の法令によって服務の宣誓を行う事が定められている。~

-[[予備自衛官]]の服務の宣誓(第41条)~
 私は、予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、訓練招集に応じては専心訓練に励み、防衛招集、国民保護等招集及び災害等招集に応じては自衛官として責務の完遂に務めることを誓います。
:''自衛隊法:第五十三条''|隊員は、防衛省令で定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。 
:''警察法:第三条''|この法律により警察の職務を行うすべての職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする。
:''国家公務員法:第六条''|人事官は、任命後、人事院規則の定めるところにより、最高裁判所長官の面前において、宣誓書に署名してからでなければ、その職務を行つてはならない。
:''国家公務員法:第九十七条''|職員は、政令の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
:''地方公務員法:第三十一条''|職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。

-[[即応予備自衛官]]の服務の宣誓(第41条の2)~
 私は、即応予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、訓練招集に応じては専心訓練に励み、防衛招集、国民保護等招集、治安招集及び災害等招集に応じては自衛官として責務の完遂に務めることを誓います。
***自衛隊員の「服務の宣誓」 [#u6e9d064]
[[自衛隊]]においては、上掲の自衛隊法第53条及び同法の施行規則により、新たに[[隊員>自衛隊員]]となった際に服務の宣誓を行うことが定められている。~
~
このうち、[[制服組]]においては「初めて任官された際(自衛隊法施行規則第39条)」「[[自衛官候補生]]として入隊した際(同第39条の2)」「[[防衛大学校]]・[[防衛医科大学校]]の学生及び[[高等工科学校生徒]]として入学した際(同第40条)」「[[予備自衛官]]・[[即応予備自衛官]]及び[[予備自衛官補]]に採用された際(同第41条の1〜3)」「[[幹部自衛官>士官]]に任官された際(同第42条)」に、下記の通り、それぞれの職務に応じた宣誓を行うこととされている。~

-[[予備自衛官補]]の服務の宣誓(第41条の3)~
-一般の服務の宣誓(施行規則第39条)~
 私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、
 常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、技能をみがき、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行にあたり、
 事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。

-[[自衛官候補生]]の服務の宣誓(施行規則第39条の2)~
 私は、自衛官候補生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、常に徳操を養い、人格を尊重し、
 心身を鍛え、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、専心自衛官として必要な知識及び技能の修得に励むことを誓います。

-学生・生徒の服務の宣誓(施行規則第40条)~
 私は、防衛大学校学生(防衛医科大学校学生・陸上自衛隊高等工科学校生徒)たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、
 常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、全力を尽して学業に励むことを誓います。

-[[予備自衛官]]の服務の宣誓(施行規則第41条)~
 私は、予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、訓練招集に応じては専心訓練に励み、
 防衛招集、国民保護等招集及び災害等招集に応じては自衛官として責務の完遂に務めることを誓います。

-[[即応予備自衛官]]の服務の宣誓(施行規則第41条の2)~
 私は、即応予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、訓練招集に応じては専心訓練に励み、 
 防衛招集、国民保護等招集、治安招集及び災害等招集に応じては自衛官として責務の完遂に務めることを誓います。 

-[[予備自衛官補]]の服務の宣誓(施行規則第41条の3)~
 私は、予備自衛官補たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、教育訓練招集に応じては専心教育訓練に励むことを誓います。

-幹部自衛官の服務の宣誓(第42条((第39条に規定の一般の服務の宣誓も併せて行う。)))~
 私は、幹部自衛官に任命されたことを光栄とし、重責を自覚し、幹部自衛官たるの徳操のかん養と技能の修練に務め、率先垂範職務の遂行にあたり、もつて部隊団結の核心となることを誓います。
-[[幹部自衛官>士官]]の服務の宣誓(施行規則第42条((併せて、第39条に規定の「一般の服務の宣誓」も行う。)))~
 私は、幹部自衛官に任命されたことを光栄とし、重責を自覚し、幹部自衛官たるの徳操のかん養と技能の修練に務め、
 率先垂範職務の遂行にあたり、もつて部隊団結の核心となることを誓います。


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