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*&ruby(ぶたい){【部隊】}; [#dad0fb9e]
[[軍隊]](及び治安・防災機関)における1人の指揮官と、その人間が指揮する全ての人間の集まり。~
原則として一つの部隊には1人の指揮官しか存在せず、ある部隊の隊員は他の部隊からの命令を受けない。~
指揮官が統制能力を失った場合((「[[死亡>KIA]]した」「知的能力に問題が生じるほどの重傷を負った」「[[行方不明>MIA]]になった」「[[敵前逃亡]]した」「[[憲兵]]に拘束された」など。))、階級などに応じてその場で臨時指揮官の引き継ぎが行われる。
原則として一つの部隊には1人の指揮官しか存在せず、ある部隊の隊員は他の部隊からの命令を受けない。

>ほとんどの部隊はより巨大な部隊の一部であり、指揮官自身も上位からの命令に従って部下を指揮している。~
指揮官が統制能力を失った場合((「[[死亡>KIA]]した」「知的能力に問題が生じるほどの重傷を負った」「[[行方不明>MIA]]になった」「[[敵前逃亡]]した」「[[憲兵]]に拘束された」など。))、定められた指揮権継承の原則に基づいて臨時指揮官への引き継ぎが行われる。

>原則として部隊内の生存者で最も[[階級]]が高い者、同階級なら長く勤続した者に引き継がれる。~
たいていの場合、この指揮継承権の第一位にある者は事前に「副長」に任命され、定期的に指揮を代行する。~
指揮官として教練されていない人材([[参謀]]や軍医など)は指揮継承権から除外する規定を設ける事が多い。

ほとんどの部隊はより巨大な部隊の一部であり、指揮官自身も上位からの命令に従って部下を指揮している。~
複数の指揮官から相互に矛盾する命令が下された場合、基本的には最上位の指揮官が優先。~
ただし、改めて指示を請う事ができない場合は現場に居合わせた指揮官が判断を行う。

ある一連の作業に必要な[[兵站]]や人員を集める事で、その作業を担当する部隊とする((近代以前には「必要になった時に現地で[[民兵]]や[[傭兵]]を集める」という手法も行われていた。&br;  もちろん、そのような寄せ集めの兵で戦うのは[[徴兵>徴兵制]]の上で事前に計画された部隊よりも格段に困難であった。))。~
大規模な[[作戦]]では、規模に合わせて必要な部隊を組み合わせた大規模な部隊をさらに編制する。~
近代軍隊は常に[[全面戦争>国家総力戦]]を想定するため、最大の[[部隊]]は数万人規模にまで達する。

**編制単位 [#fdfd5bff]
部隊の編制方法は非常に多岐にわたり、時代や国によって大きく違う。~
一般に、近代以降の[[陸軍]]ではおおむね以下のような編制が採られている。~
なお、一般に[[軍政]]部門はどのような規模でも部隊には編入されない。~
実戦部隊は[[軍政]]に関する権限を全く持たないか、例外的事例でも戦場で必要な最低限のみ許される。

:方面軍・方面隊・軍団・軍(Corps) |複数の師団・旅団を擁する最大の単位。~
日本の[[陸上自衛隊]]では「方面隊」と呼称するが、国によって大きく異なる。~
指揮階級:将官([[大将]]・[[中将]])
:[[師団]](Division) |さまざまな兵科を擁し、完結した作戦行動を行える部隊単位。~
規模はおおむね7,000〜15,000名程度。~
師団や旅団は、複数の連隊や大隊からなることが多い。~
日本の[[陸上自衛隊]]では当初、[[管区隊>師団]]と呼ばれ、15,200名(後に12,700名)の規模を擁していた。~
指揮階級:将官([[中将]]・[[少将]])
:旅団(Brigade) |単独の兵科で師団に組み込まれている場合もあるが、師団と同じくさまざまな兵科を擁し「準師団」的な位置づけがなされることもある。~
師団より規模が小さいため、[[兵站]]を持たないことがある。~
なお、イギリス陸軍では伝統的に旅団を恒常的な編制単位としている。~
指揮階級:将官([[少将]]・准将((brigadier general.かつては「旅団少将」と称した事もあった。))(代将)((brigadier.「旅団長たる大佐」を意味する。)))
:[[混成団]](Combined Brigade) |日本([[陸上自衛隊]])独自の編制。~
師団・旅団と同様に複数の兵科からなるが、規模は旅団よりもさらに小さい((実質上「増強大隊」程度。))。~
指揮階級:将官(将補=[[少将]]((但し、現在の「方面混成団」団長は一佐=大佐である。)))
:連隊(Regiment) |「[[普通科]]連隊」「[[特科]]連隊」というように、単独の兵科で編成される最大の単位となることが多い編制。~
複数の中隊で連隊や大隊が構成される。~
イギリス陸軍の砲兵連隊、戦車連隊、工兵連隊等は、運用上大隊と同格とされ、中佐職である。~
指揮階級:佐官(大佐・中佐)
:大隊 (Battalion, [[Squadron>スコードロン]]) |連隊と並び、単独の兵科における最大の単位となることが多い編成。~
数個の大隊で連隊が構成されることもあるが、複数の大隊や連隊が組み合わされて師団や旅団を成す場合が多い。~
また、このクラス以上の部隊指揮官には、意志決定を補佐する[[参謀]]がつけられる。~
なお、[[自衛隊]]の普通科部隊には[[第1空挺団]]を除き存在しない。~
イギリス陸軍の歩兵大隊は、昔の連隊の呼称と[[軍旗]]を残して、伝統の継承に努めている。~
指揮階級:佐官(中佐・少佐)
:中隊(Company, [[Squadron>スコードロン]], Battery, Troop) |数個の小隊が集まってできる単位。~
[[戦車>機甲部隊]]・[[砲兵]]・通信などの諸兵科は、この単位まで分けられることが多い。~
指揮階級:尉官(大尉・中尉)
:小隊(Platoon, Troop) |数個の分隊が集まってできる単位。~
歩兵30名ないしは戦車3〜4両程度から構成される。~
指揮階級:尉官(中尉・少尉)
:分隊(Squad) |[[歩兵]](普通科)の場合はおおむね10名程度で、下士官が指揮官となることが多い。~
近年では機械化の進展で[[APC]]・[[歩兵戦闘車]]や[[輸送ヘリコプター>ヘリコプター]]に搭載されることを前提とした員数構成になることが多くなった。~
また、この下に「班」や「組」というさらに小さい編制が作られることもあるが、自衛隊の教育隊では分隊のことを「班」と呼ぶ。~
[[アメリカ海兵隊]]では、[[迫撃砲]]、[[機関銃]]、対戦車等の分隊2〜3個で班(Section)を編制している。~
指揮階級:下士官([[曹長]]・軍曹)~
:組(team)|分隊の下に位置し、4〜6人程度で構成される。~
狙撃班など用途に応じて使用されることが多い。~
指揮階級:下士官・兵(伍長・一等兵)
典型的な部隊編成は以下の通り。

**&ruby(Theater Army){戦域軍};/&ruby(General Army){総軍};/&ruby(Army Group){軍集団};/&ruby(Area Army){方面軍}; [#x8da9584]
-指揮官:[[大将]]・[[元帥]]・国家元首

一国の[[軍隊]]が統率し得る最大の集合。~
戦争の全体像を統括する司令部と、そこに含まれる1個以上の方面軍または軍団。~
1国の兵士全てを統括するものではなく、戦争に際して必要な兵力を策定・抽出して編成する。~

**&ruby(Army / Field Army){軍/野戦軍/方面軍/地域別統合軍}; [#yea6d8de]
-指揮官:[[中将]]〜[[元帥]]

ある地域を担当する全ての将兵の集合。~
この場合の「地域」には、一つの[[紛争]]において[[前線]]が形成され得る地域全てが含まれる。~
[[国家総力戦]]体制に移行した[[列強]]の場合、一つの方面軍はおおむね大陸一つ分程度の地域を担当する。

**&ruby(Corps){軍団}; [#x2b8c0b1]
-指揮官:[[中将]]〜[[大将]]

[[作戦]]の立案と[[戦略]]的な指揮を行うための中枢。~
複数の[[師団]]や旅団を指揮下において指令を下す。軍団全てが一箇所に集結するのは[[兵站]]上の問題から不可能。

**&ruby(Division){[[師団]]}; [#v7acf16f]
指揮官:[[少将]]〜[[中将]]

個々に[[作戦]]計画を実行する集団。~
外部の支援を受けずに[[戦術]]的行動を取れるよう、様々な兵科の旅団・連隊を合計7000〜15000人程度集合させる。~

**&ruby(Brigade){旅団/混成団}; [#i8605ec2]
-指揮官:大佐〜[[少将]]

[[師団]]と連隊の中間。~
制度上の意義は国や時代ごとにさまざまで、定義はあまり一定しない。~
師団長と連隊長を中継するために設けられる場合と、少人数化された[[師団]]である場合と、連隊の別名に過ぎない場合がある。

**&ruby(Regiment){連隊}; [#uc5b14b5]
-指揮官:中佐〜大佐

同じ兵科の人員を一カ所に集める場合の最大単位。~
おおむね2000人前後。古くは1箇所の駐屯地に常時在留させられる人数の上限を意味していた。~
[[歩兵]]連隊・[[工兵]]連隊・[[戦車]]連隊などに分けられ、それら連隊を束ねて[[師団]]・[[旅団]]を構成する。

**&ruby(Battalion / Squadron){大隊}; [#i6bc9db3]
-指揮官:少佐〜中佐

数個の中隊の集合。~
友軍から孤立した状態で戦闘を行い、合流するまで戦闘を継続できると期待できる最小単位。~
独自の[[戦術]]的判断を行う必要性が生じるため、大隊から専門の[[参謀]]が配属される。~
また、識別のために大隊ごとに独自の[[軍旗]]が支給される事もある。

**&ruby(Company / Squadron / Battery / Troop){中隊}; [#c48ab7a2]
-指揮官:中尉〜大尉

数個の小隊の集合。[[歩兵]]150人前後、ないし[[野戦砲]]4〜6門に相当。~
1人の指揮官が、専門の司令部を経由せずに肉声で指示を与える事ができる限界規模に相当する。~
また、人間の知的能力において、部隊全員との面識を維持できる限界人数とほぼ等しい。

>大隊以上の規模になると、変装した部外者を見ただけでそれと看破するのはほとんど不可能に近い。

**&ruby(Platoon / Troop / Section){小隊}; [#z5abe44d]
-指揮官:少尉〜中尉

数個の分隊の集合による30人程度の部隊。~
基本的には個々の現場と上層部が連絡するための中継点であり、小隊単位で独自の判断を行う事はまずない。~
大規模な戦闘では中隊以上の規模で集結するし、[[散兵戦]]では分隊単位まで分割される。~
士官学校卒の新人が指揮官として経験を積むための練習台、という側面もある。

**&ruby(Squad){分隊/班}; [#t88d59f9]
-指揮官:軍曹〜[[曹長]]

軍隊の指揮系統における最小単位。~
全員が同じ場所にいて同じ隊長に指揮されている事を常に期待できる最大の人数。おおむね10人以下。~
[[機甲部隊]]・[[機械化歩兵>機械化]]の場合、1輌の車両ごとに専属の分隊を設けるのが一般的。

**&ruby(team){組}; [#u5948b03]
-指揮官:伍長〜一等兵

[[狙撃]]班、[[偵察]]班など、単一の作業を行うための臨時編成。~
必要に応じて同じ分隊から4〜6人を抽出して結成し、作業終了時に解散して分隊に合流する。


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