*&ruby(ふじそうごうかりょくえんしゅう){【富士総合火力演習】}; [#ue65658f]
毎年夏〜初秋にかけて、静岡県御殿場市の[[陸上自衛隊]]東富士演習場で行われる、日本最大規模の軍事演習。~
略称で「&ruby(そうかえん){総火演};」とも呼ばれる。~
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1961年、陸上自衛隊富士学校の学生に対する演習として始まった。~
1966年以降は[[自衛隊]]の広報の一環として一般公開が行われている。~
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演習の主たる目的は、現代の火力戦がいかなる様相を呈するものかを学生に体験させること。~
[[富士教導団]]が主体となり、[[陸上総隊]]隷下部隊などを抽出して実施される。~
近年では「統合運用」の観点から、[[海上自衛隊]]や[[航空自衛隊]]からも部隊が参加している。~
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例年、訓練そのものは7月から準備を始め、8月にほぼ1か月をかけ、さまざまな状況を想定した演習((「団予行」「学校予行」「教育演習」があり、学校予行・教育演習などの夜には夜間演習も行われる。))が非公開で行われる((この「非公開演習」は富士学校が主催。))。~
その後、展示演習が8月下旬〜9月上旬にかけて数度行われる、というスケジュールである。~
>この一連の演習にかかる費用は毎年3〜4億円といわれ、「贅沢な花火大会((日本国内で大規模な花火大会を開催するのと同程度の費用であるという。))」と揶揄・批判される向きもある。~
とはいえ、弾薬は保管していても経時劣化して[[用途廃棄]]されるので、演習などで適宜消費した方が望ましいのも事実ではある((実際、この演習で使用される弾薬は所定の保管期間が経過して[[用途廃棄]]直前になったものが使われるという。))。~
また、自衛隊では最大規模の実弾演習であることから、参加する隊員の[[士気]]高揚にも役立っているという((「[[たまに撃つ弾が無いのが玉に傷]]」という言葉もあるように、[[自衛隊]]は他国の軍隊に比べても弾薬の備蓄が少ない。))。

一方で、一連の訓練の締めくくりとして行われる一般公開演習は(主催が富士学校ではなく[[陸上幕僚監部]]ということもあって)[[陸上自衛隊]]の兵器展示会としての側面もあり、[[軍事政策>砲艦外交]]の一環として[[在日米軍>在日アメリカ軍]]の軍人や周辺各国の[[駐在武官]]なども招待される。~
また、国内の一般市民にも大きな需要を持っており、入場券は毎年非常に高い競争率となる((平成28年(2016年)度のデータによると、15万通近い応募があり、平均競争率は29倍だった。))。~
近年では陸上自衛隊公式webサイトや民間の動画共有サイト、CS放送による映像配信((平成27年度の演習では、全国各地の映画館でのライブビューイングも行われた。))も行われており、当日会場に入場できない者でもこれらを通じて観覧することができる。~
>なお、令和2年度(2020年度)及び令和3年度(2021年度)の演習は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、会場に一般観覧者を入れず、インターネット上で公開する形で行われた。~
また、時期も例年の8月下旬から5月下旬に変更されている。

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