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【富士重工業】(ふじじゅうこうぎょう) †

Fuji Heavy Industries(FHI).
自動車、航空機などの生産を手がける日本の重機械メーカー。本社は東京都新宿区に所在する。
一般には「スバル」のブランド名で知られる自動車メーカーとして認知されている。

1917年(大正6年)、元海軍機関大尉・中島知久平が群馬県新田郡尾島町(現在の太田市)に設立した「飛行機研究所」がルーツ。
その後、社名を「中島飛行機」と改め、主として帝国陸海軍に納入される軍用機及びそのエンジンの開発・生産を手がけ、第二次世界大戦の頃には三菱や川崎と並ぶ、アジアでも有数の航空機メーカーとなっていた。

しかし、戦争末期には同社の工場・生産施設の多くがアメリカ軍による戦略爆撃の重要目標とされ、壊滅的打撃をこうむることになる。
そして終戦後、GHQによって二度と軍需産業に復帰できないよう徹底的に解体され*1、「中島飛行機」は一度消滅する。

その後、1953年〜55年にかけて分社化された旧工場・事業所が合同して「富士重工業」として再発足。
現在、航空・軍事分野では主に防衛省向けに練習機やヘリコプターの納入を行っている他、日米欧各社の旅客機の部品製作にも多く参加している。
また、これ以外には「スバル」のブランド名で知られる自動車や「ロビン」のブランド名で知られる汎用小型エンジンの生産なども行っている。

関連：富嶽

メーカー公式webサイト
http://www.fhi.co.jp/

主な製品 †

ここでは、戦前の中島飛行機時代と戦後の富士重工時代とに分けて述べる。

中島飛行機時代 †

• 戦闘機
  • 九七式戦闘機
  • 一式戦闘機「隼」
  • 二式戦闘機「鍾馗」
  • 四式戦闘機「疾風」
  • 月光
  • 零式艦上戦闘機（三菱から受託生産したもの）*2
  • 二式水上戦闘機（同上）

• 攻撃機・爆撃機
  • 一〇〇式重爆撃機「呑龍」
  • 九七式艦上攻撃機（一型及び三型）
  • 深山
  • 連山
  • 富嶽（構想のみ）

富士重工時代 †

• 練習機・連絡機
  • T-1
  • LM
    • KM-2（海上自衛隊納入の初等練習機）
    • TL-1（陸上自衛隊納入の連絡機）
    • T-3（航空自衛隊納入の初等練習機）
    • T-5（KM-2の後継）
    • T-7（T-3の後継）

• ヘリコプター
  • UH-1B/D/H（ライセンス生産）
    • ベル204B（UH-1Bの民間型）
    • UH-1J（UH-1Nベースの独自改修型。陸上自衛隊に納入）
    • 富士・ベル205B（UH-1Jの民間型）
  • AH-1S「ヒューイ・コブラ」（ライセンス生産）*3
  • AH-64D「ロングボウ・アパッチ」（ライセンス生産）*4
  • RPH-2（無人ヘリコプター）

• 軽飛行機
  • FA-200
  • FA-300（米ロックウェル社との共同開発）

• 標的機
  • J/AQM-1

• 他社と分担生産した機体
  • 自衛隊機
    • F-2（主翼・尾翼などを担当）
    • T-4（主翼・尾翼・キャノピーを担当）
    • OH-1（尾翼・キャノピーなどを担当）
    • US-1（主翼外翼・エンジンナセル・尾翼などを担当）
    • P-3C（主翼を担当）
    • U-125A（艤装品取り付け・納入前整備などを担当）

• 民間機
  • B737（エレベーターを担当）
  • B747（エルロン・スポイラーを担当）
  • B757（アウトボードフラップを担当）
  • B767（主脚?格納ドア・翼胴フェアリングを担当）
  • B777（共同開発。中央翼・主脚?格納ドア・翼胴フェアリングを担当）
  • B787（共同開発。中央翼を担当）
  • A380（垂直尾翼構造を担当）
  • ホーカー・ホライゾンM4000（主翼構造及びシステム開発を担当）
  • BA609（胴体構造開発を担当）
  • エクリプス500（主翼を担当）
  • ボンバルディア・DASH-8

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*1 工場・事業所単位で15社以上に分社化された。
*2 同機の全生産機数の2/3を占めていた。
*3 オリジナルの形式では「近代化AH-1S（AH-1F）」、または「AH-1S C-NITE」に相当する機体。
*4 本国での生産が打ち切られたため、わずか10機で生産終了となってしまった。