【表面冷却】(ひょうめんれいきゃく)

主として航空機用の液冷エンジンにおいて、エンジンの冷却液を機体表面に循環させて熱を放出する方式。
通常の液冷エンジンに用いられるラジエーター(熱交換器)の機能を、機体そのものに持たせようとするものである。
空気抵抗の増加につながりかねない熱交換器を省けるため、エアレーサー?戦闘機などの高速性能が要求される飛行機に用いられた。

しかし、この方式は、冷却器が機体表面の大部分を覆うことになるため、戦闘機に用いた場合、ここに一発でも被弾するとエンジン停止につながりかねないという致命的な欠点があった。
そのため、戦闘機への採用は全て試作段階で挫折してしまい*1、実用例はスーパーマリンS6?マッキMC72?などのエアレーサー?に限られている。


*1 川崎重工業が帝国陸軍航空隊への採用を目指して試作していた「キ64?」など。

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