*&ruby(ひこうかんぱん){【飛行甲板】}; [#maca6be1]
Flight deck~
[[艦上機]]の離着艦のため、[[艦艇]]上に設けられる、広くて平らな甲板のこと。~
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甲板から[[水上機]]を離艦させようとした水上機母艦に搭載されたものが始まりだが、これは離艦はできても着艦はできず、帰還した機体はそのまま海中に投棄して乗員だけを回収するか、艦のそばに着水させてクレーンで引き上げるかしかなかった。~
このため、英国海軍が[[軽巡洋艦]]から改造した世界初の[[航空母艦]]「[[フューリアス]]」では、従来の離艦用甲板に加えて着艦用の甲板を追加し、離着艦が可能な本当の意味での飛行甲板が登場する。~
しかし、フューリアスではそれぞれの甲板が前後に分かれ、しかも艦橋で区切られていたため、運用上の不便さが残された((機体制動に必要な滑走距離が足りず、また、艦橋などの上部構造物に衝突する危険もあった。))。~
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その後建造された「[[アーガス]]」では完全に平らな全通甲板を採用し、これが本格的な[[航空母艦]]の始まりとなる((ただし、同艦はイタリアから発注されていた客船「コンテ・ロッソ」を進水前に買い取って改造したものであり、最初から[[航空母艦]]として設計・建造された艦としては、日本海軍の「鳳翔」が世界最初の艦であった。))。~
こうした全通甲板は、[[滑走路]]の一種と解釈することもできる。 ~
陸上での[[滑走路]]に比べて非常に短いため、[[艦上機]]の離陸のための[[カタパルト]]、着陸のための[[アレスティングワイヤー]]などが設置されている場合が多い。~
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一方[[ヘリコプター]]の登場により、比較的狭い甲板でも[[航空機]]の艦上運用が可能となり、[[駆逐艦]]などの小さな艦でも飛行甲板を備える場合が多くなってきた。~
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余談だが、[[海上保安庁]]や民間船舶業界では甲板を「こうはん」と読むため、巡視船や民間船舶で[[ヘリコプター]]を下ろす場所は「ひこうこうはん」と呼称する。~
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関連:[[斜め飛行甲板]]

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