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【飛行甲板】 *1 †
Flight deck.
艦艇の上面(甲板)に設けられた、飛行機が発進・帰投できる滑走路。
陸上での滑走路に比べて非常に短いため、離陸用カタパルト、着艦用アレスティングワイヤーなど特殊な設備が必要。
波と海風に揺れる海上で、至近距離に艦橋などの障害物がある狭い空間に降りる性質上、通常の着陸よりも格段に操作が困難である。
ほとんどの飛行機はスペースが足りずに着陸不可能で、艦上機として特別に用意された機体を必須とする*2。
ヘリコプターの登場以前は、着艦を諦めて水上機(飛行艇)を用い、着水後にクレーンで回収するものが多かった。
艦船に飛行機を着艦させるのに必要なペイロードは莫大であり、それを達成するためには巨大な航空母艦とならざるを得ない。
ヘリコプターの登場以降は、飛行機を想定しないヘリ専用の小さな飛行甲板を備える艦艇も多い。
特に駆逐艦などはサイズの関係で艦上機対応の大型飛行甲板の設置が至難で、どう工夫しても飛行機を着艦させられない。
関連:テイルフッククラブ 斜め飛行甲板 スキージャンプ
*1 日本語では軍事的文脈(およびフィクション文化)で「かんぱん」、民間海運業者や海上保安庁などは「こうはん」と読む。
*2 1960年代、アメリカ海軍が超大型空母「フォレスタル(CVA-59)」にKC-130F輸送機を着艦させる実験を行ったことがある。
また、CIAも同時期に航空母艦からU-2偵察機の着艦・再発艦を行っていた。