【半自動式拳銃】(はんじどうしきけんじゅう)

Semi-automatic Pistol

発砲後、空薬莢の排出と次弾の装填を自動的に行う機能を備えた拳銃
「弾切れまでは引き金を引く以外の操作を何もしなくて良い」のは開発当時非常に革新的な機能であった。
現代では搭載していて当然の機能だが、それでも特に半自動式(Semi-Automatic)と呼ばれる。

ただし、さすがに「拳銃」と略して呼ぶ場合の方が圧倒的に多い。

装填・排莢に必要な動力には、初弾の反動(リコイル)や装薬の発射ガスを利用する。
ガス利用式はライフル等に多い機能で、半自動式拳銃での採用では主に反動が利用される。

念のため付記しておくが、電動ではない。
フィクションではしばしば「拳銃の持ち手の下に挿し込む部品」が描写されるが、あれは電池ではない。
弾を入れるケース(弾倉)である。

多弾数なうえ素早く再装填でき、扱いやすいのが特性。
新機種の登場頻度が比較的高く、人間工学的な研究も非常に進んでいる。
反面、不発や排莢・装填のトラブルによって作動停止する恐れが多少ある。

改良が進んだ現代のモデルでは、整備不良でない限りほとんどトラブルに見舞われる事はない。
それでも、特殊部隊などのプロユースでは半自動式よりも堅牢な回転式拳銃がしばしば採用される。

サイズが小さく持ち運びが容易であるため、民間人や警察官など護身用の武器として適する。
この特性は違法に隠して持ち歩く事も容易にするため、銃社会における犯罪の凶器としてもよく見られる。

最大の欠点は殺傷力有効射程である。
弾丸そのものは相当遠くまで届くが、一般的な射手の技量で命中を期待できる距離は10mに満たない。
それでも素手や鈍器に対しては十分に有利であるが、散弾銃小銃に比べれば圧倒的に劣る。
殺傷力は人間を失血死させるには十分だが、錯乱状態にある人間を即時確実に制圧できるほどのものではない。*1


*1 即時確実に制圧できる大口径・大威力の半自動式拳銃もいくつか開発されたが、使い勝手を大きく犠牲にするため主流にはならなかった。

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