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*&ruby(はやぶさ（せんとうき）){【隼（戦闘機）】}; [#n82fd390]
[[中島>富士重工業]]キ43・一式[[軽戦闘機]]「[[隼>はやぶさ]]」。~
*&ruby(はやぶさ){【隼】}; [#n82fd390]
[[中島>中島飛行機]] キ43 [[一式戦闘機]]「[[隼>はやぶさ]]」~
~
1930〜1940年代、[[中島飛行機製作所>SUBARU]]が開発・生産し、[[大日本帝国陸軍>日本軍]]に採用された[[軽戦闘機]]。~
呼称・略称は「一式戦」、「一戦」、「ヨンサン」など。~
1940年代、[[中島飛行機]]が開発・生産し、[[大日本帝国陸軍>日本軍]]が[[第二次世界大戦]]期に運用した[[戦闘機]]。~
呼称・略称は「一式戦」「一戦」「ヨンサン」など。「隼」の[[愛称]]でも知られる。~
[[連合国軍>連合国（第二次世界大戦）]]におけるコードネームは"&ruby(オスカー){Oscar};"。~
**開発 [#kc614ce3]
1930年代後半の欧米で続々と実用化しつつあった[[引き込み脚>ランディングギア]]を備える高速戦闘機（[[P-36]]、[[Bf109]]、[[スピットファイア>スピットファイア（戦闘機）]]など）に対抗可能な新型[[軽単座戦闘機>軽戦闘機]]として、1937年12月に中島に開発が指示された。~
~
それまでの[[九七式戦闘機]]に代わる新型[[軽戦闘機]]として、海軍の[[零戦>零式艦上戦闘機]]に次ぐ5,700機あまりが生産され、後の四式重戦闘機「[[疾風]]」と並んで陸軍航空隊を代表する[[戦闘機]]として終戦まで活躍した。~
基本設計は現行主力として1937年に採用されていた[[九七式戦闘機]]のものを引き継ぎつつも、エンジンをより強力な「ハ25」に換装、引き込み脚化するなどの変更により、要求された優秀な運動性能、500km/h以上の最高速度、高度5000mまで5分で到達可能な上昇性能などの達成が試みられた。~
~
また、当時[[戦意>士気]]高揚のために制作された映画や流行歌の題材(([[大東亜戦争]]開戦当初に活躍した「[[飛行第64戦隊>戦隊]]」を題材にした「加藤隼戦闘隊」など。))としても取り上げられ、一般国民にも親しまれた。~
「キ43」試作1号機の[[初飛行]]は1938年12月12日となった。~
しかし、速度性能は要求以下、運動性能も九七式戦闘機には及ばず、増加試作機による改良も成功しなかった。~
このため、採用はさらなる性能向上まで見送られることが予定された。~
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しかし、太平洋戦争初期の南方への侵攻作戦に際し、長距離飛行能力を備える戦闘機が必要となったことが、本機の採用を早めることとなる。~
[[落下タンク>増槽]]を装備することで長大な[[航続距離]]を発揮するキ43は、1941年5月に「一式戦闘機一型」として[[制式]]採用されることとなった。~
**性能諸元（一式戦闘機二型） [#l032cf8b]
|試作名称|キ43-II|
|乗員|1名|
|全長|8.92m|
|全高|3.085m|
|全幅|10.837m|
|翼面積|22��|
|[[翼面荷重]]|117.7kg/��|
|空虚重量|1,975kg|
|正規全備重量|2,590kg|
|[[発動機>エンジン]]|[[ハ115（栄21型）>栄]][[空冷>空冷エンジン]]星形複列14気筒×1基（離昇1,150馬力）|
|[[プロペラ]]|住友ハミルトン可変ピッチ3翅（直径2.80m）|
|最大速度&br;（高度6,000m）|初期型：515km/h&br;中期型：536km/h&br;後期型：548km/h|
|巡航速度&br;（高度4,000m）|355km/h|
|降下制限速度|600km/h|
|[[上昇力>上昇率]]|4分48秒/高度5,000m|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|10,500mないし11,215m|
|[[航続距離]]&br;（落下タンク有/正規）|3,000km/1,620km|
|武装|ホ103 12.7mm機関砲×2門（[[機首]]、携行弾数各270発）|
|爆装|翼下30〜250kg爆弾2発ないしタ弾（[[クラスター爆弾]]）2発|
**戦史 [#zdffccfc]
開戦直後、陸軍が進出した南方の航空戦で一式戦闘機は高い戦闘能力を発揮、軽微な損害で多くの[[連合国>連合国（第二次世界大戦）]]戦闘機（[[F2A]]や[[ハリケーン>ハリケーン（戦闘機）]]、[[P-40]]）撃墜戦果を挙げた。~
また、国内の[[戦意>士気]]高揚のために制作された新聞や映画、流行歌等[[プロパガンダ]]の題材として積極的に用いられた本機は、戦時中の国民に広く知られる戦闘機となっていた。~
>一式戦闘機は連合国軍に[[日本海軍>日本軍]]の[[零式艦上戦闘機]]と誤認されることがあった。~
実際、両機には同型のエンジンを搭載すること、同等の寸法の機体であること、良好な旋回性能を発揮することなど、類似点が多かった。
機体構造やエンジンの更新によって性能の向上が図られつつ運用された一式戦闘機だが、戦争後期には高性能化する連合国軍機に対して旧式化していた。~
しかし、より高性能な[[四式戦闘機>疾風（戦闘機）]]などの後継機が配備されつつあった前線でもなお、本機はその運用期間の長さからくる機材としての信頼性、安定した飛行性能から[[搭乗員>エビエーター]]や[[整備員>航空整備士]]に好まれた。~
また、実際の戦闘においても、[[レーダー]]による敵の早期発見を可能とするなど先進的な戦闘機運用のなされていたビルマ戦線では[[P-51]]C/D型、[[P-47]]D型や[[スピットファイア>スピットファイア（戦闘機）]]後期型（Mk.�次�Mk.�将犬覆鼻砲覆匹紡个靴討盡潦僂寮鏖未魑鵑佳海韻拭�~
~
**派生型 [#z85da5b5]
-一型（キ43-I）：~
ハ25（公称970hp）発動機搭載の原型機。武装は7.7mm機銃×2挺。~
7.7mm弾対応の防弾タンク（防漏タンク）を装備。~
二型への改編により一線を退いた後は標的曳航機や訓練機として運用された。~
最終的に、日本航空史上2番目に多い約5,700機が生産され、後の[[四式戦闘機「疾風」>疾風（戦闘機）]]と並んで[[陸軍]]航空隊、ひいては戦中の[[日本軍]]を代表する[[戦闘機]]となった。~
**性能諸元 [#l032cf8b]
|>|CENTER:~一式戦闘機一型（キ43-�機�|
|生産番号&br;（中島）|CENTER:114〜816号機|
|乗員|CENTER:1名|
|全長|CENTER:8.832m|
|全高|CENTER:3.090m|
|全幅|CENTER:11.437m|
|翼面積|CENTER:22��|
|空虚重量|CENTER:1,560kg|
|全備重量|CENTER:2,017.5kg|
|[[発動機>エンジン]]|CENTER:中島[[ハ25>栄]] [[空冷>空冷エンジン]]複列星形14気筒×1基|
|出力|CENTER:離昇：990[[馬力]]/728kW&br;高度3,400m：970馬力/713kW|
|[[プロペラ]]|CENTER:定速2翅（直径2.90m）|
|最大速度|CENTER:495km/h（高度4,000m、87オクタン[[燃料]]使用時((戦中の陸軍で一般的であった92オクタン燃料使用時は最高速度500km/h以上に達したとされるが、実測値は不明。))）|
|[[巡航速度]]|CENTER:320km/h|
|降下制限速度|CENTER:500km/h以内|
|上昇性能|CENTER:高度5,000mまで5分13秒（15.9m/s）&br;高度6,000mまで6分21秒（13.1m/s）|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|CENTER:-|
|[[航続距離]]|CENTER:-|
|[[翼面荷重]]|CENTER:92kg/��|
|[[馬力荷重]]|CENTER:360W/kg|
|>|CENTER:武装|
|[[機首]]右側|CENTER:八九式固定[[機関銃]]（7.7mm）×1挺（携行弾数：500発）|
|機首左側|CENTER:ホ103 12.7mm[[機関砲]]×1門（携行弾数：250〜270発）|
~
--一型甲(キ43-I甲)：~
一型と同様の機体を持つ初期生産型。~
|>|>|>|CENTER:~一式戦闘機二型（キ43-�供�|
|生産番号&br;（中島）|CENTER:5009〜5153号機|CENTER:5154〜5579号機|CENTER:5580〜7489号機|
|乗員|>|>|CENTER:1名|
|全長|>|>|CENTER:8.92m|
|全高|>|>|CENTER:3.085m|
|全幅|CENTER:11.437m|>|CENTER:10.837m|
|翼面積|CENTER:22.0��|>|CENTER:21.4��|
|空虚重量|CENTER:1,975kg|CENTER:1,863kg|CENTER:1,935kg&br;（防弾板装備）|
|全備重量|CENTER:2,590kg|>|CENTER:2,500kg|
|[[発動機>エンジン]]|>|>|CENTER:中島[[ハ115>栄]] 空冷複列星形14気筒×1基|
|出力|>|>|CENTER: 離昇：1,077馬力/792kW|
|~|>|>|CENTER:1速：1,070馬力/786kW（高度2,800m）&br;2速：940馬力/691kW（高度5,600m）|
|[[プロペラ]]|>|>|CENTER:住友ハミルトン可変ピッチ3翅（直径2.80m）|
|最大速度|CENTER:515km/h（高度6,000m）|>|CENTER:推力式集合排気管：536km/h（高度6,000m）&br;推力式単排気管：548km/h（高度6,000m）|
|[[巡航速度]]|>|>|CENTER:355km/h（高度4,000m）|
|降下制限速度|CENTER:550km/h|>|CENTER:600km/h（最大650km/h）|
|上昇性能|CENTER:高度5,000mまで5分49秒（14.3m/s）|>|CENTER:-|
|~|CENTER:高度6,000mまで7分24秒（13.5m/s）|>|CENTER:-|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|CENTER:10,500mないし11,215m|>|CENTER:-|
|[[航続距離]]|CENTER:3,000km（落下タンク有り）&br;1,620km（正規）|>|CENTER:-|
|[[翼面荷重]]|CENTER:119kg/��|>|CENTER:117kg/��|
|[[馬力荷重]]|CENTER:305W/kg|>|CENTER:316W/kg|
|>|>|>|CENTER:武装|
|[[機首]]|>|>|CENTER:ホ103 12.7mm機関砲×2門（携行弾数：各250〜270発）|
|>|>|>|CENTER:追加装備|
|翼下|>|>|CENTER:30〜250kgまでの爆弾または 散布弾（[[クラスター爆弾]]）((子弾として[[タ弾]]を内蔵。))×2発|
~
--一型乙(キ43-I乙)：~
一型甲の機関銃1丁を12.7mm機関銃に置き換えた機体。~
**型式 [#z85da5b5]
-キ43：（13機）~
試作機および増加試作機。~
~
--一型丙(キ43-I丙)：~
一型甲と同様の機体だが搭載機関銃を12.7mm機関銃×2門とした型。~
-一式戦闘機一型（キ43-�機法А�754機）~
1941年5月に制式化。~
ハ25（離昇990馬力）発動機を搭載し、対7.7mm機銃弾防漏燃料タンクを装備。~
過剰な軽量化によって機体強度に問題があり、急降下時の制限速度は500km/h以内とされていたが、実際にはそれ以下の速度でも空中分解を引き起こした事例が存在する。~
二型への生産転換と部隊配備によって一線を退いた後は、標的曳航機や[[訓練機>練習機]]として運用された。~
~
-二型（キ43-II）：~
一型の各部を改良した型。~
ハ115（公称1,020hp）発動機を搭載し、自動漏り止めタンク、3翅プロペラを採用。~
機体構造も強化されて降下制限速度が650km/hまでに引き上げられている。~
--一式戦闘機一型甲(キ43-�宜�)：~
生産初期型。武装は八九式固定機関銃（7.7mm）×2挺。~
~
--二型甲(キ43-II甲)：~
二型生産型。武装は12.7mm機関銃×2門、250kg爆弾×2発。推力式集合排気管採用。~
--一式戦闘機一型乙(キ43-�飢�)：~
武装を7.7mm機銃×1挺+ホ103 12.7mm機関砲×1門に換装した型。~
~
--二型乙（キ43-II乙）：~
二型甲の装備品に小変更を加えた機体。機体下部に新型冷却器を装備。~
--一式戦闘機一型丙(キ43-�喫�)：~
武装を12.7mm機関砲×2門に換装した型。~
~
--二型改（キ43-II改）：~
二型甲、乙型両方の改良点を組み合わせた機体。~
推力式単排気管を採用し、最高速度を548km/hに引き上げた。~
-一式戦闘機二型（キ43-�供法А�3,831機、内試作8機）~
1942年夏に制式化。~
一型からはエンジンのハ115（離昇1,077馬力）への換装、対12.7mm機銃弾防漏燃料タンクの搭載、3翅プロペラ化などの変更が行われた。~
機体構造も強化され、降下制限速度はごく初期の機体で550km/h、中島飛行機製第5154号機からは翼幅の11.437mから10.837mへの短縮や翼面積の22.0�屬�ら21.4�屬悗僚名�により最大650km/hまで向上した。~
1943年6月生産の第5580号機からは操縦席後方に防弾板が装備された（教則が不徹底で、現場の判断により勝手に取り外されていた事例がある）。~
なお、''二型における以下の呼称は戦後に便宜上与えられたもので、正式には全て「一式戦闘機二型」である。''~
~
-三型甲（キ43-III甲）：~
推力式単排気管仕様の最終生産型。~
[[発動機>エンジン]]は[[水メタノール噴射]]装置付きのハ115-II（公称1,230hp）を搭載。~
操縦席後部に容量70lの水メタノールタンクを新設し、推力式単排気管モデルの二型最後期型と異なり量産三型の排気管数は片側7本となる。~
--一式戦闘機二型甲(キ43-�狭�)：~
初期生産型。武装は12.7mm機関砲×2、爆装は最大250kg爆弾×2発、推力式集合排気管装備。生産期間中に[[機首]]周りの設計変更が数回行われている。~
~
--三型乙（キ43-III乙）：~
カウリング上部に膨らみを設け、20mm[[機関砲]]×2門を装備したモデル。~
試作のみ。~
--一式戦闘機二型乙（キ43-�恐機法�~
中期型。推力式集合排気管を装備、最高速度は536km/hまで向上した。~
~
-四型（キ43-IV)：~
ハ45（公称1,650hp）発動機を搭載した型。計画のみ。~
--一式戦闘機二型改（キ43-�恐�）：~
後期型。推力式単排気管を装備、最高速度は548km/hまで向上した。~
~
-一式戦闘機三型（キ43-�掘法А�1,143機、内試作10機）~
1944年末期に制式化された。~
[[発動機>エンジン]]は[[水メタノール噴射]]装置付きのハ115-�供平絅瓮織痢璽詈�射装置使用時に高度2,800mで1,230馬力）、操縦席後部に容量70Lの水メタノールタンクを備え、推力式単排気管を装備するが、二型改とは異なり排気管の数は片側7本となっている。~
~
--一式戦闘機三型（キ43-�掘法�~
最高速度は560km/h（高度5,850m）まで向上、[[水メタノール噴射]]装置の使用時は瞬発的な加速力も増大した。~
三型乙との区別のため、三型甲とも呼ばれる。~
~
--一式戦闘機三型乙（キ43-�群機法�~
試作のみの機体。
[[カウリング>カウル]]上部に膨らみを設け、機首を20cm延長、武装をホ5 20mm[[機関砲]]×2門に換装。~
1機のみ製造されたものの制式化はされず((不採用の原因は生産型式の転換にかかる労力、重量増による三型甲比の上昇力・上昇限度の劣位（[[B-29]]迎撃に必要な能力の低下）などとされている。))、試験後は明野教導飛行師団に配備された。~
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-キ43-�検�~
計画のみの機体。以下のプランがあった。~
(1)：エンジンを[[ハ45]]（離昇1800馬力）発動機に換装した型。~
(2)：機体の一部を木製化し、エンジンを[[水メタノール噴射]]装置付の「ハ112-�供廖奮し蓋鴇痢峩眄穎仔鷏拭廚汎嬰�のもの）に換装した型。~
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