【白旗】(しろはた)

漂白された無地の布を掲げた旗。

刺繍などの加工が必要なく容易に調達でき、その割には目立つため、古くから軍旗の素地に利用されている。
現代でも、手旗信号においては赤い旗・白い旗をセットにして使用する。

紋章や軍旗の伝統を持つ社会では、洋の東西を問わず、無地の白旗は領有者の不在を示唆する。
白旗を掲げて領主の不在を明示するのは降伏の意志表示か、領主一族が族滅され後任がいない事を示唆する。

一方で、白無地という題材が他のなにかを象徴するものとして使われた場合も多い。
日本の武家では源氏の正統、ロシアやフランスでは革命に抵抗する騎士・王党派の象徴として白無地が使われている。

ハーグ陸戦条約ではこれが法的に明文化され、白旗を掲げて交渉に赴くものを軍使と定めている。
軍使は謀略など戦時国際法に対する背信を働かない限り、攻撃を受けない不可侵権を保障される。
条約が成立した19世紀以前においても白旗を掲げて降伏する慣習はあったが、そこに法的根拠はなかった。


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