【任官拒否】(にんかんきょひ)

防衛大学校の学生が、卒業時に自衛官(陸海空曹長)への任官を(学生本人の自由意志により)拒否すること。略して任拒とも。

防大の学生は、在学中の学費や衣食住費用は一切無料であり、さらに(入学と同時に防衛省の職員となっているため)公務員としての給与も支払われるため、一人当たり数千万円の費用が国庫から支出されていることになる。
そのため、血税で甘い汁を吸い、恩を仇で返す詐欺的行為として不名誉な事とされている。

このことから、「任官拒否者に学費・給与を国庫へ返還させることを義務化すべし」という主張が広く叫ばれているが、防大側では
「学費返還制度が施行された場合、正々堂々と任官拒否をする者が増え、自衛隊幹部養成の土台が崩れかねない」
という見解に立っており(また、防大開校時の初代校長が打ち出した「国防に対する強い意思のある者だけが残っていればよい」という考えが継承されていることもあって)、学費の返還を義務化する考えは今のところ無い様である。

なお、防衛医科大学校では、卒業時に陸海空曹長への任官を拒否した者や任官後9年以内に自己都合で退職した者には学費を返還すること(現在は最高で約5000万円)が義務化されている。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS