*&ruby(にんかんきょひ){【任官拒否】}; [#p4f4dd3b]
士官学校の学生が卒業後、[[軍隊]]へ任官するのを自発的に拒否する事。略して「任拒」とも。~
日本では[[防衛大学校]]、[[防衛医科大学校]]の学生などが[[自衛隊]]への任官を拒否する事を指す。~
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国民の税金で甘い汁を吸い、恩を仇で返す詐欺的行為として著しい不名誉とされている。~
学生が任官拒否を行った場合、その養成課程で生じた費用は全て無駄になってしまうためである。

>例えば[[防衛大学校]]では学生から学費を徴収せず、逆に[[防衛省]]職員としての生活費と給与も支払っている。~
また当然、[[自衛官]]として学習・教練を行うために多大な予算が投じられている。~
そうした費用を計上すれば、学生一人を卒業させるために必要な費用は延べ数千万円にも及ぶ。~

この事から、任官拒否者は学費・給与を国庫へ返還する義務を負うべきだという主張もある。~
実際、[[防衛医科大学校]]では任官拒否・早期の自己都合退職に際しての学費返還義務((任官拒否者及び任官後9年以内の自己都合退職者に適用され、返還額は最高で約5000万円という。))を設けている。~
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しかし、[[防衛大学校]]は創設以来の伝統として、学費返還義務を定めない方針を貫いている((開校当時の校長が「国防に対する強い意思のある者だけが残っていればよい」と表明しており、この理念が現在まで継承されている。))。~
これは学校としての理念であるが、同時に「任官拒否が恥辱でなくなる事の実害」を踏まえての懸念でもある。~

>任官拒否がある程度まで気軽に行えるようになれば、当然その件数は増大するものと思われる。~
多大な「罰金」を課すのは決して気軽なものではないが、それもそれで入学希望者を減少させる事になると思われる。~
どちらにせよ、現状から制度を変えれば[[自衛隊]]幹部として着任する卒業生が激減し、幹部養成の土台が崩壊しかねない。

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