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*&ruby(にしきひこうてい){【二式飛行艇】}; [#scba12bc]
川西H8K.~
[[川西>新明和工業]] H8K.~
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[[第二次世界大戦]]期、川西航空機（現在の新明和工業）が開発・生産し、[[大日本帝国海軍>日本軍]]に納入された[[飛行艇]]。「二式大艇」とも。~
[[連合国軍>連合国（第二次世界大戦）]]におけるコードネームは「&ruby(エミリー){Emily};」であった。~
1940年代当時、世界最高水準の性能を誇る飛行艇であった。~
[[第二次世界大戦]]期、川西航空機（現在の[[新明和工業]]）が開発・生産し、[[大日本帝国海軍>日本軍]]に納入された[[飛行艇]]。~
二式大型飛行艇、転じて「二式大艇」とも呼ばれる。~
[[連合国軍>連合国（第二次世界大戦）]]におけるコードネームは"&ruby(エミリー){Emily};"であった。~
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本機は1930年代、[[ワシントン>ワシントン海軍軍縮条約]]・[[ロンドン海軍軍縮条約]]によって[[艦隊]]戦力に制限をかけられた日本海軍が、陸上基地から発進して[[爆撃]]・[[雷撃]]を行う航空戦力整備の一環として((本機と並行して、[[陸上機]]の「深山」も開発されていたが、こちらは失敗に終わっている。))、前作の「九七式飛行艇」の後継となる大型飛行艇として開発がはじめられた。~
>当時、日本は国際連盟から南洋諸島の委任統治を託されていたが、これらの島々に[[飛行場]]を整備することは当時の技術では困難で、[[水上機]]・[[飛行艇]]にも需要はあった。
[[制式]]採用時の1942年において、世界有数の優れた性能を持っていた[[飛行艇]]であった。~
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本機は1930年代、[[ワシントン>ワシントン海軍軍縮条約]]・[[ロンドン海軍軍縮条約]]によって[[艦隊]]戦力に制限をかけられた日本海軍が、陸上基地から発進して[[爆撃]]・[[雷撃]]を行う航空戦力整備の一環として((本機と並行して、[[陸上機]]の「深山」も開発されていたが、こちらは失敗に終わっている。))、前作の「[[九七式飛行艇]]」の後継となる大型飛行艇として開発がはじめられた。~
>当時、日本は国際連盟から南洋諸島((現在のパラオ共和国・ミクロネシア連邦など。))の委任統治を託されていたが、これらの島々に[[陸上機]]の発着できる[[飛行場]]を整備することは当時の日本の土木技術では困難であり、また、上記の両条約でこれらの地域に軍事施設を置くことを禁じられていたこともあって、[[水上機]]・[[飛行艇]]にも需要はあった。
そのため、長い[[航続距離]](([[一式陸上攻撃機]]や[[B-17]]・[[B-29]]よりも長い航続距離が求められた。))と[[偵察機]]としても使える高速性能((当時の主力であった[[九六式艦上戦闘機]]と同等の速度が求められた。))が求められ、大型・高速かつ重武装な機体に仕上がった(([[B-25]]や[[B-17]]といった[[爆撃機]]を積極的に攻撃して撃墜した戦果もある。))。~
>そのことから、連合国軍の[[パイロット>エビエーター]]からは「フォーミダブル」な機体と呼ばれた。
そのため、長い[[航続距離]](([[一式陸上攻撃機]]や[[B-17]]・[[B-29]]よりも長い航続距離が求められた。))と[[偵察機]]としても使える高速性能((開発当初の[[海軍]]主力[[戦闘機]]であった[[九六式艦上戦闘機]]と同等の速度。))が求められ、それらを達成しつつ強力な防護[[機関銃]]をもつ、重武装な機体に仕上がった。~
>その高速性と重武装、巨体から、本機は連合国軍の[[パイロット>エビエーター]]からは「フォーミダブル（手強い）」な機体と呼ばれた。
本機は原型である[[雷撃>雷撃機]]・[[爆撃機]]型の他、[[輸送機]]型（「晴空」という[[愛称]]がつけられていた）などの派生型も作られた。~
現在は1機が[[海上自衛隊]]鹿屋航空資料館で展示保存されている((終戦時、香川県・詫間航空隊に所属していた機体。戦後は長らく[[ノーフォーク海軍基地]]で保存されていた。))。~
**スペックデータ（一二型） [#c49eb760]
本機は原型である[[雷撃>雷撃機]]・[[爆撃>爆撃機]]（[[哨戒機]]）型の他、[[輸送機]]型（「晴空」という[[愛称]]がつけられていた）などの派生型も作られた。~
総生産数は167機。~
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現在は1機のみが残存しており、[[海上自衛隊]][[鹿屋航空基地]]併設の「鹿屋航空資料館」で展示保存されている((終戦時、香川県・詫間航空隊に所属していた機体。戦後は[[アメリカ軍]]に[[接収>鹵獲]]され、長らく[[ノーフォーク海軍基地]]で保存されていた。))。~
**スペックデータ[#c49eb760]
|>|CENTER:''二式飛行艇一二型''|
|乗員|10〜13名|
|全長|28.13m|
|全高|9.15m|
|全幅|38m|
|翼幅|38m|
|翼面積|160��|
|自重|18,400kg|
|空虚重量|18,400kg|
|正規全備重量|24,500kg|
|最大重量|32,500kg|
|[[発動機>エンジン]]|[[三菱>三菱重工業]] [[火星二二型>火星]][[空冷>空冷エンジン]]星形複列14気筒×4基&br;（離床1,850hp）|
|最高速度|470km/h|
|最大離陸重量|32,500kg|
|[[発動機>エンジン]]|[[三菱>三菱重工業]] [[「火星」二二型>火星]][[空冷>空冷エンジン]]星形複列14気筒×4基|
|出力|離昇：1,850hp（1,380kW）&br;高度2,100m：1,680hp（1,253kW）&br;高度5,500m：1,540hp（1,148kW）|
|[[プロペラ]]|4枚翅定速プロペラ|
|最高速度|467km/h（高度5,000m）|
|[[巡航速度]]|296km/h（高度4,000m）|
|[[航続距離]]|8,223km（[[偵察]]過荷）|
|武装|20mm旋回[[機銃]]×5門、7.7mm旋回機銃×4門（3門予備）|
|爆装|[[爆弾]]2t（60kg爆弾×16発または250kg爆弾×8発または800kg爆弾×2発）または[[航空魚雷]]×2発|
|[[フェリー>回航]]航続距離|7,152km|
|[[上昇限度]]|8,850m|
|上昇能力|高度5,000mまで10分12秒|
|[[翼面荷重]]|153.1kg/��|
|パワー/マス|0.225kW/kg|
|武装|九九式一号20mm旋回[[機銃]]×5門、九二式7.7mm旋回機銃×4門（3門予備）|
|爆装|[[爆弾]]2t（60kg爆弾×16発または250kg爆弾×8発または800kg爆弾×2発）&br;または800kg[[航空魚雷]]×2発|
~
|>|CENTER:''晴空三二型''|
|乗員|9名、乗客29〜64名搭載可能|
|全長|28.12m|
|全高|9.15m|
|全幅|37.98m|
|翼面積|160��|
|自重|15,223kg|
|最大重量|26,683kg|
|[[発動機>エンジン]]|三菱「火星」二二型 空冷星形複列14気筒×4基&br;（公称1,680hp）|
|プロペラ|定速4翅|
|最高速度|420km/h（[[高度]]4,000m）|
|航続距離|3,700〜4,440km|
|[[上昇限度]]|8,780m|
|武装|13mm機銃×1挺、20mm機関砲×1門|
~
**派生型 [#g1ec0b33]
-''二式飛行艇''
--十三試大型飛行艇（H8K1）：~
試作機。~
発動機は火星一一型（公称1,410hp）を搭載。~
~
--一一型（H8K1）：~
最初の量産型。~
発動機は火星一二型（1,410hp）を搭載。~
~
--一二型（H8K2）：~
防弾装備と武装を強化した型。~
発動機は火星二二型（公称1,680hp）を搭載。~
~
--仮称二二型（H8K3）：~
空気抵抗を減らして飛行性能を向上させることを意図した機体。~
一二型の翼端フロートと後部上方の20mm機銃を引き込み式化した。試作のみ。~
[[空気抵抗>抗力]]を減らして飛行性能を向上させることを意図した機体。~
一二型の翼端[[フロート]]と後部上方の20mm機銃を引き込み式化した。試作のみ。~
~
--仮称二三型（H8K4）：~
仮称二二型を改修した機体。~
発動機は火星二五乙型（公称1,680hp）を搭載。~
~
-''晴空''
--三二型（H8K2-L）：~
一二型ベースの量産型。~
~
--仮称三三型（H8K4-L）：~
仮称二三型ベース。計画のみ。~
発動機は火星二五乙型を搭載。~
~
