【内戦】(ないせん)

Civil War(英) / bellum civile(ラテン)

直接の当事者のうち、「国家」であると承認される主権者が一つ以下である紛争
既存の国家に対する反政府テロリストの反乱、ないし国家体制の崩壊した地域における紛争を指す。

より厳密には、「市民の戦争(Civil War)」、つまり戦闘員を峻別して市民を保護する事が不可能な紛争形態を指す。
当事者の双方が「国家」である場合にそのような事態に至った事例はない、とされる。

基本的には現在進行形の紛争、または反体制勢力が撃滅される結果に終わった紛争を指す。
体制崩壊に至って新政府が樹立された場合は「革命」、複数の国家に分裂する結果に至った場合は「独立戦争」と言い換えられる。

近代以前の場合、そもそも「国家」の定義自体が曖昧であり、何を内乱と呼ぶかは必ずしも定かでない。
慣習上、明確な臣従の契約が反故にされる事で発生した紛争を内乱、そうでない対外的な紛争を「戦争」とする事が多い。

法的には、国家側の当事者がそれを「戦争」であると認めるか否かが主な焦点となる。
内戦は戦争であると認められず、戦時国際法が適用されない。従って捕虜の保護、降伏の手続きなども不可能となる。
このため、内戦における敗者側の人間は、戦争の戦後処理に比して過酷な運命を辿る傾向が強い。
その悲惨な事態は憎悪を醸成し、報復が望まれるようになり、戦後の統治が破綻して内戦の再発を招く事が少なくない。


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