【内火艇】(うちびてい/ないかてい)

Launch.

海軍が港湾設備として備える、または艦艇が連絡用に搭載するモーターボート*1

日本語の「内火」は内燃機関で動いている事を指すが、現代では意味を喪失して久しい。
命名当初、大型艦艇蒸気タービン外燃機関)駆動であった事の名残である。

蒸気タービンの項にもあるように、大型艦艇に搭載されていた蒸気タービンエンジンは起動に時間がかかり、即応性にも劣っていた。
これに対し、内燃機関は比較的短時間で起動できるため、港内作業や艦艇との連絡に用いる小舟の機関としては最適だった。

海上自衛隊における定義

現在の海上自衛隊では広義の内火艇を「交通船」と称して配備している。
このうち、自衛艦の固有装備ではない艇(「YF」の記号を与えられたもの)であって、艇番号が1001から始まるものを「内火艇」、同じく2001から始まるものを「内火ランチ」としている。
また、用途による区分として次のようにしている。

  • 甲型(将官艇):VIP用。
  • 乙型:幹部用。
  • 丙型:人員・機材混載型。
  • 丁型:海曹士用。
  • 特殊用途型:離島基地への通勤、着水した飛行艇との連絡用など。

*1 揚陸艦が上陸用に搭載する水陸両用車両が内火艇に含まれる場合もある。

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