【冬将軍】(ふゆしょうぐん)

北国における冬の寒波と降雪に対し、畏敬の念を込めて呼ばれる言葉。
ナポレオンがモスクワを占領しながら、ロシアの冬の厳しさに耐えられず撤退したことに由来する。

1812年、ナポレオン率いるフランス軍はロシア遠征を開始。
42〜65万(諸説あり)という圧倒的兵力で首都モスクワを占領するものの、訪れた冬の厳しい寒さとロシア軍の時間稼ぎの焦土作戦により物資が不足したフランス軍は、大量の凍死者や餓死者を出して撤退を余儀なくされた。
また、その撤退行においてもロシア軍の執拗なゲリラ戦により大量の損害を出し、フランスまでたどり着いたのはわずか数万人であったといわれる。

このことから「ロシア軍には負けなかったが冬に負けた」として、「冬将軍」と呼ぶようになった。

後の第二次世界大戦中、ドイツ軍がソビエトに侵攻し、モスクワ占領目前まで迫りながら、やはり冬期になって頓挫したことから、「ヒトラーも冬将軍には勝てなかった」などとしばしば槍玉に挙げられる。

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