【敵国条項】(てきこくじょうこう)

国連憲章第53条及び107条の通称。
国際連合の母体である連合国に敵対していた枢軸国が、将来、再度侵略行為を行うか、またはその兆しを見せた場合、国際連合安全保障理事会を通さず軍事的制裁を行う事が出来ると定められた条項。

どの国がこれに該当するかという明確な規定はないが、日本政府の見解では「第二次世界大戦にて、国連発足時の原署名国である51ヶ国と交戦状態にあった」以下の国々を指す、としている*1

  • 日本国
  • ドイツ国(現在のドイツ連邦共和国)
  • イタリア王国(現在のイタリア共和国)
  • ブルガリア王国(現在のブルガリア共和国)
  • ハンガリー王国(現在のハンガリー共和国)
  • ルーマニア王国(現在のルーマニア共和国)
  • フィンランド共和国

但し、現在ではこの条項により敵国指定された全ての国が国際連合に加盟済みであり、事実上意味の無いものとなっている。
そのため、1995年国連総会において敵国条項を削除する決議案が圧倒的多数の賛成を得て採択された(北朝鮮、キューバ、リビアは棄権)が、現在もこの条項は残されたままとなっている。


*1 ただし、イタリア・ブルガリア・ハンガリー・ルーマニア・フィンランドの5ヶ国は、大戦中に枢軸側を離脱して連合国側に立っている。
  また、大戦中に日本と「日泰攻守同盟条約」を結んで枢軸国側に立っていたタイ王国は、日本の敗戦後「条約締結は日本の軍事力を背景とした強迫によるもの」と主張し、枢軸国の扱いを免れている。


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