【直昇9】(ちょくしょうきゅう)

中国がフランスのアエロスパシアル社(現ユーロコプター)が開発・製造するヘリコプタードーファンII」および「パンサー」をライセンス生産した機体。
Z-9とも呼ばれる。
哈爾浜飛機工業集団有限公司が開発を担当した。

1980年代から開発が開始され、最初はノックダウン生産に近い形態で生産された。
1988年からは国産コンポーネントの使用範囲を更に拡大し、エンジンを中国製渦軸8A(WZ-8A)に変更したZ-9A-100が開発されている。

2009年までに軍用合わせて200機以上が生産されたほか、輸出も行われており、マリやカンボジア、ラオスなど7カ国に輸出されている。

派生型として、対潜ヘリコプター型のZ-9Cや攻撃ヘリコプター型のWZ-9(武直9)がある。

派生型

  • 直昇9「海豚」(Z-9): AS365N1のライセンス生産型。
    • Z-9A: AS365N2のライセンス生産型。
    • Z-9EA: A型の輸出型。

  • Z-9-100:
    A型をベースにコンポーネントを国産化した型。
    エンジンは渦軸8A(WZ-8A)を搭載。
    • Z-9B:
      100型ベースにさらに国産化率を向上した型。

  • Z-9C: パンサーベースの対潜/哨戒ヘリコプター型。

  • Z-9F:
    武装警察向けのモデル。

  • Z-9(指揮・通信型): A型ベースの空中コマンドポスト型。

  • Z-9(砲兵観測型):
    砲兵部隊の将官が搭乗して運用される砲兵観測型。

  • Z-9W(武直9(WZ-9)): Z-9をベースに開発された武装ヘリコプター型。
    • Z-9WA:
      Z-9Wの改良型。
      搭載兵器の増加と夜間戦闘能力が付与されている。
    • Z-9WE:
      Z-9WAの輸出型。
    • Z-9G:
      AS565ベースの武装ヘリコプター型。
      装備や外観はZ-9WAに類似している。
    • Z-9WZ:
      Z-9Wベースの多用途型。
      火器管制システムが改良され、運用可能兵器の種類が増加している。
      主に攻撃・偵察・治安任務等の任務を想定している。
    • Z-9ZH:
      Z-9WAに似た機体。
      中国軍の香港駐留部隊に配備されている。

    • DZ-9(Z-9EW):
      電子戦機型。

  • H410A:
    Z-9の民間型。エンジンをアリエル2C(840hp)に換装している。
    中国の公安や海警部隊でも運用が行われている。
    • H425:
      H410Aベースの民間型。 最大離陸重量が4,250kgに増加している。

  • H450: 哈爾浜が開発中のZ-9の民間型。 最大離陸重量が4,500kgに増加している。

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