【超地平レーダー】(ちょうちへいれーだー)

Over-The-Horizon Rader
「OTHレーダー」または「超水平線レーダー」とも。
従来の(マイクロ波)レーダーでは見通せない水平線の彼方を見ることが出来るレーダーである。

OTH-B

Over-The-Horizon-Backscatterの略。
電離層F層(高度200〜400Km付近)が減衰の少ない電波のミラーとなる短波(5〜30MHz)帯を使い、レーダー波を直接目標に浴びせるのではなく、一旦電離層に向けて発射し、これを反射させることによって地平線以遠を見通せるようにしたもの。
探知距離は3000Kmにも達する。
地上設備には半径数百m〜数Kmの巨大なアンテナを複数用いるが、それでも解像度は「何かがある」のがわかる程度と言われている。

弾道ミサイル発射の探知などに用いられたが、現在では衛星を使うことが出来るため、軍事用途での役割は縮小している*1

短波は民間でも各種無線通信に広く用いられているため、OTHを使用すると短波にウッドぺッカー信号と呼ばれるノイズが発生する。


*1 代わりに気象観測などでの応用が考えられている。

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