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*&ruby(ちゅうそくちゅうせいしろ){【中速中性子炉】}; [#h311dcbb]
[[原子炉]]の一種で、比較的大量の[[プルトニウム]]を生成すべくつくられたもの。~
減速材としてベリリウムを、冷却材として液体金属を用いる。~
[[ジェネラルエレクトリック]]によって研究されていた。~
Submarine Intermediate Reactor (SIR)~
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原子力開発の初期、将来[[ウラニウム]]資源が枯渇すると予想した[[アメリカ軍]]は[[高速増殖炉]]を欲したが、当時の技術では難しいと考えられたために開発された妥協的存在である。~
アメリカ第二の[[原子力潜水艦>潜水艦]]である[[シーウルフ]]の動力源として搭載されたが、程なくナトリウム漏れ事故を起こし、以降実用化のめどは立っていない。~
けっきょく艦船用の[[原子炉]]としては、ライバルの[[加圧水型原子炉]]が主流となった。~
[[原子炉]]([[核分裂炉]])の一種で、減速材としてベリリウムを用いることにより中速中性子での核分裂をおこない、[[プルトニウム]]への転換率を向上させたもの。~
サイズの割に発熱量が大きく、また中性子を必要以上に減速させないようにするため、冷却材として液体金属(溶融金属)を用いる。~
このため「溶融金属冷却原子炉」という別名を持つが、この場合広義には[[高速炉]]等も含む。~
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原子力開発の初期から既に将来の[[ウラニウム>ウラン]]資源が枯渇すると予想されたが、[[中性子]]の減速を控えめにすれば核分裂が起きづらくなる一方で[[プルトニウム]]の大量生産が可能になるのではないかとして研究された。~
しかし思ったほどの転換率は実現できず、転換炉としての開発はごく初期に打ち切られた。~
一方で、[[加圧水型原子炉]]に比べて炉が小型なうえ冷却材循環用ポンプが静粛というメリットが存在するため、中速中性子炉はより[[潜水艦]]に適していると考えられていた。~
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アメリカでは[[ジェネラルエレクトリック]]によって研究されており、アメリカ第二の原子力[[攻撃潜水艦]]である[[シーウルフ]]の動力源として搭載されたが、程なく冷却材のナトリウムが漏れ、[[被曝]]事故を起こしてしまった。~
金属ナトリウムは軽量である一方、水に触れると爆発的に発熱する危険な物質でもある。~
結局[[シーウルフ]]の中速中性子炉は、就役から程なくして[[加圧水型原子炉]]へと交換されてしまった。~
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一方、ソ連では鉛-ビスマス合金を冷却材とする[[高速炉]]を「アルファ」級原子力[[攻撃潜水艦]]に採用した。~
こちらは実用化されたものの、やはり問題が多く、それ以降溶融金属冷却炉を用いた[[潜水艦]]は造られていない。~
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その後、中速中性子炉は動力炉としての活路が見出されず、艦船用の[[原子炉]]としては、ライバルの[[加圧水型>加圧水型原子炉]]が主流となった。~
また、転換炉としては[[高速増殖炉]]などのほうが有望視されており、中速中性子炉の研究は途絶えている。~


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