【中空装甲】(ちゅうくうそうこう)

Spaced Armor.

装甲構造の一種で、2枚の防弾鋼板の間に何もない空間(中空)を設けたもの。
場合によっては中空層に燃料(軽油)を満たしている場合もある。

衝撃波やノイマン効果など、炸薬によって生じる破壊的現象を中空で拡散させ、広い面積で受け止める。
また、矢のように細長い弾体も、中空を通過する際に摩擦でねじれさせて先端を潰し、広い面積で受け止める。
上記のような貫通力を重視した弾頭に対して、1枚の分厚い装甲より効果的な防護を可能とする。

ただし、大きな重量物が激突した場合の防護効率に関しては同重量の一枚板よりも劣っている。
また、得意とする所の成形炸薬弾粘着榴弾装弾筒付徹甲弾(APDS)に対する防御効率もさほど劇的ではない。

冷戦中盤、第2世代主力戦車の防御力を向上するために用いられた技術だが、複合装甲の登場によって陳腐化した。
現代では、防御力の向上よりも軽量化を優先する場合に用いる限定的な用法に留まっている。

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