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*&ruby(ちゃくひょう){【着氷】}; [#yf4b56f5] Icing~ [[航空機]]の機体や[[プロペラ]]、[[気化器>キャブレーター]]に氷や霜が着くこと(([[着陸]]や[[着水]]の類義語ではない。氷河などの上に降りた場合でも[[着陸]]と表現される。))。~ 雪の降る[[空港]]に駐機しているときや、悪天候時に中空を飛行する際に良く起こる。~ 風防に着けば視界不良を起こし、計器系に着けば表示に不具合を起こし、翼に着けば翼型を壊すため揚力の低下、抗力の増加を引き起こし、機体制御に不具合をきたす。~ 特に[[気化器>キャブレーター]]への着氷(キャブアイスと呼ぶ)は[[エンジン]]への[[混合気]]供給を阻害してしまうため、致命的な事故につながりやすい。~ [[航空機]]が過冷却水(0℃以下でも凍っていない水)を伴った雲中を飛行するときに起こることがある。一度氷が付着したらあっという間に成長してしまう。~ Icing.~ ~ 着氷による[[墜落]]を防ぐため、防氷装置や除氷装置が存在する。~ 防氷装置は着氷自体を防ぐもので、ヒーター等がある。~ 除氷装置は既に成長した氷を取り除く装置で、飛行中に作動するものは氷を振動等で物理的に取り除く。離陸前に行われる除氷液を吹き付ける作業もこれに該当する。~ ~ [[軽飛行機]]や[[回転翼機]]などはこれらの装置がついていないことがあるため、雲中の飛行は危険である。 氷や霜が付着する事。~ [[航空機]]用語の文脈でも、[[着陸]]や[[着水]]の類義語ではなく氷の付着を意味する((氷河の上に降りるのは「[[着陸]]」である。))。~ 基本的には寒冷地での降雨・降雪で生じるが、高い[[高度]]では地図上どこでも生じうる。~ 特に、[[航空機]]が雲の中を通過すれば水滴・氷晶が付着して凍結する事は避けられない。 機械への着氷は、ほとんど全ての場合に以下のような故障を誘発する。~ -金属・ゴムの強度が劣化し、微細な部品・酷使される部品の破損を招く -液体[[燃料]]が凍結や成分変質を起こして[[エンジン]]故障を招く -[[電池]]・バッテリー類が低温で出力低下を起こす -[[風防]]に付着した氷が視界を遮る -計器・センサー類の表面が氷で覆われて正常に測定できなくなる -翼に付着した氷が[[翼型]]を歪めて[[運動性]]を損なう -[[エンジン]]の外気吸入口が氷で塞がり、不完全燃焼から機関停止や爆発事故を招く こうした事故を防ぐため、着氷が予想される状況では事前の防備が必要になる。~ 典型的にはヒーターなどで機体を暖めておく、[[エンジン]]を停めず長期間アイドリングするなどが一般的。~ [[航空機]]は運航中の応急整備ができないため、振動や収縮で氷を破砕する除氷装置を備える事もある((高高度長時間飛行を想定しない[[軽飛行機]]や[[回転翼機]]では備えていない場合の方が多い。))。~ また、洗剤液の凍結による着氷を防ぐため、洗浄作業にも不凍液が用いられる。