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*&ruby(たけばしじけん){【竹橋事件】}; [#t3752fe4]
1878（明治11）年8月23日に東京・竹橋付近に駐屯していた[[帝国陸軍>日本軍]]の近衛兵((1872年から1891年まで近衛部隊は「近衛」という名称で、1891年に「[[近衛師団]]」として改組された))が決起した[[クーデター]]未遂事件。~
1878（明治11）年8月23日、東京・竹橋付近に駐屯していた[[帝国陸軍>日本軍]]の[[近衛兵>親衛隊]]((1872年から1891年まで近衛部隊は「近衛」という名称で、1891年に「[[近衛師団]]」として改組された。))が引き起こした[[クーデター]]未遂事件。~
**概要 [#d2e8d8f8]
決起したのは近衛歩兵大隊竹橋部隊の兵卒ら259名で、西南戦争での論功行賞の遅れと不公平、そして戦争後の給与削減への不満を天皇に直訴するために行動を起こしたとされる。((最近では自由民権思想の影響があったとする説もある))~
決起したのは近衛[[砲兵]]大隊竹橋[[部隊]]の[[兵卒]]ら259名。~
事件の動機としては「西南戦争((前年の1877年、西郷隆盛率いる旧薩摩藩士族軍と明治政府軍との間に起きた[[内戦]]。2024年現在、日本史上最後の[[内戦]]となっている。))での論功行賞の遅れと不公平」「[[兵役制度>徴兵制]]への不満」から、それらを明治天皇に直訴するために行動を起こしたとされる((近年の研究では「自由民権思想の影響があった」とする説もある。))。~
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決起兵は歩兵大隊長などを殺害し、営内や周辺の住居数件を放火、さらに[[山砲]]をひいて時の大蔵卿大隈重信公邸に砲撃を加え、((大隈重信が交渉削減を企図したといわれたため、標的にされた))暴動兵は明治天皇のいる赤坂仮御所（現：東宮御所）に迫りつつあった。~
しかし、近衛歩兵連隊や鎮台兵が決起兵を鎮圧し、事件は発生から34時間後に解決した。~
決起兵は[[部隊]]の[[週番士官>士官]]などを殺害し、営内や周辺の住居数軒に放火、さらに装備の[[山砲]]を引いて大隈重信の公邸((現在の清水門前に所在。&br; 大隈邸が襲撃目標とされたのは、大隈が当時大蔵卿の職にあり、論功行賞の削減を企図したといわれたため。))に砲撃を加え、明治天皇のいる赤坂仮御所に迫りつつあった。~
しかし、近衛[[歩兵]]隊や[[東京鎮台>鎮台]]（後の[[歩兵]][[第1師団>師団]]）の兵からの反撃で決起兵は鎮圧され、事件は発生から34時間後に解決した。~
**結果 [#ub9bba70]
決起兵は事件後陸軍裁判所にかけられ、55人が死刑、その他徒刑などの判決が下された。~
そして事件を教訓に[[山県有朋]]らによる「[[軍人勅諭]]」の発案や[[憲兵]]の創設が行われ、近衛兵とは別に門部と呼ばれる皇居の警備組織が設置された。
決起兵は事件後、[[陸軍裁判所>軍法会議]]にかけられ、55人が死刑、その他徒刑などの判決が下された。~
その後、事件を教訓に将兵の思想統一を図る「[[軍人勅諭]]」の発布や隊内の治安維持に携わる[[憲兵]]の創設が行われ、近衛兵とは別に「門部」と呼ばれる宮内省の警備組織((その後数度の改編を経て、現在の皇宮警察となった。&br; なお、現在の皇宮警察は警察庁の管轄下に属している。))が設置された。
