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【地雷】 †
land Mine / Mine*1.
地中に埋設される爆弾。
多くは信管部分だけが露出し、一定以上の圧力がかかると起爆する。
近年では磁気振動センサーなど高度な電子制御を行うものもある。
対人地雷では、圧力がかかった時に安全装置が解除され、その圧力が解除された時に起爆する設定になっているものもある。
運がよければ、地雷を踏んだ兵士は死の恐怖に怯えながら長時間その場に立ち尽くす事になる。
そして、その不幸な兵士一人を救うために戦闘工兵などが長時間その場に拘束される。
最小では人間の片足だけを引きちぎるものから、成形炸薬弾で戦車を吹き飛ばすものまで様々。
当然ながら威力が高いほど巨大で埋設・隠蔽が困難なため、仮想敵に応じて使い分けられる。
暗殺に用いる事もあるが、基本的には防御戦闘に用いられる。
適切に設営された地雷原は、敵の前進を停止させる強固な壁として機能する――これは現代の陸戦における要塞ともいえる。
地雷の運用と安全性 †
(20世紀末期以降の平和主義に基づくプロパガンダの影響もあってか)地雷には「民間人をも巻き込む無差別的な兵器」という印象が強いが、軍隊における運用教則は、実はその逆である。
誰が巻き込まれるかわからないような無秩序な地雷埋設は、利敵行為であるから軍法会議にかけられる――味方を巻き込まずに済む保証をしないという事は、意図的に味方を殺そうとしたに等しい。
地雷を安全に運用するためには、常に正確な測量と完全な記録が要求される。
埋設位置の記録は、たとえ部隊が全滅しても失われないよう複写され後送される。
また、測量基準点がズレないよう、空爆にも耐えられる頑丈で巨大な杭を打ち込んで基準点とする。
埋設作業自体も厳密にパターン化され、事後の撤去作業が安全に行えるよう取り計らわれる。
とはいえ、そうした安全対策は、教練と装備に膨大な軍事予算を費やせる正規の工兵にのみ可能である。
民兵やゲリラが地雷を運用した場合、戦後に測量書類が残るかは疑わしい(測量したとすればの話だが)。
最悪の事例では、文盲の人間がろくに訓練も受けずに個人で地雷を携帯して、適当な道端や草むらなどに埋設する事すら珍しくない。
そしてテロリズムとしての短絡的な観点で考えれば、無秩序な埋設でさえ脅威的な武器となる。
尚、このような人道上問題となるような使われ方をする地雷は、いずれも対人地雷の撤廃を掲げた条約に加盟しない国々から供給されており、条約が発効しても本来の「安全な」活用が出来る国々から対人地雷が消えただけで終わってしまっているのが実情である。
関連:オタワ条約?