• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
*&ruby(じらい){【地雷】}; [#scbc7ca4]
+地中に埋められ、それを踏んだり近づいた対象物を破壊するための[[爆弾]]。Mine((英語では、「信管を備えた設置型の爆弾」をすべてこう呼ぶ。そのため「[[機雷]]」の英訳も同じである。)).~
攻撃対象ごとに[[火薬>爆薬]]量や信管の敏感さを調節する必要があるため、用途ごとに対人地雷、対戦車地雷、[[核地雷>戦術核兵器]]などと分類される。~
~
敵味方・民間人すら区別しない無差別性から時に「悪魔の機械」などと糾弾される。~
特に対人地雷は民間人に被害を与える事も少なくないため、人権団体等から廃止すべきという声が上がっている。~
[[オタワ条約]]の締約により多くの国が廃止しているか、廃止にむけ動いているものの、最大の地雷製造国である中米露では未だ生産が続いている。~
しかも条約による規制が行われるようになると、設置・運用・撤去といった一連の管理体制が敷かれ、戦闘終了後は安全に処理できうる先進国の軍隊が装備する対人地雷が廃棄されていく一方で、紛争国の求める、安価な対策の施されない地雷が野放しになるという皮肉な事態が生まれている。~
~
地雷は、きちんとした管理態勢を構築した上で使用されれば安全であり、自ら能動的に敵を攻撃することもないため、日本のような専守防衛を掲げる国にとっては非常に道理に合う。((元々軍人は戦争で傷を負うもので、地雷で傷ついてもそれを責める人間は居ない。&br;  それに危険を承知で踏み込まないと傷つきようがないので、地雷の被害を受けても攻めてきたほうが悪いのだ。))~
しかもかなり広範囲にわたって、短時間で強固な防衛陣地を構築できるため、[[戦略]]的にも有効な兵器である。~
現在の規制条約は、そうした安全態勢を整えた上で地雷を使える先進国に地雷を破棄させる一方で、そういったことをまったく無視した地域紛争の当事国では被害を止める事ができないため、一種の象徴的な意味合いしか持たず、実効性に疑問が呈されている。((事実、条約締結後も相変わらず地雷による被害は後を絶たない。&br;  新しい紛争が発生するたびに新しい地雷が使用されるが、条約はそれを食い止められず、完全に意味を成していない。&br;  すなわち、先進国の平和団体や人権団体の自己満足で終わっているのが実情である。))~
~
+[[自衛隊]]における野外での排泄の事。~
演習中など、トイレが無い場合に行われるが、「起爆」しないようしっかりと埋設する必要がある。~
~
+精神的苦痛に満ちているが致死的ではなく、かつ注意すれば避けられるトラブル、欠陥品、タブーを指す俗語。~
下手に掘り起こしたり使ってみたりするとひどい目に遭う事から連想される慣用表現である。~
land Mine / Mine
((mineは「鉱山」の意。黎明期の地雷が敵[[要塞]]の真下まで坑道を掘って行う発破工作であった事に由来する。&br;  また、単にMineという場合、地雷と[[水雷]]の総称を指す。))

地中に埋設される[[爆弾]]。~
多くは信管部分だけが露出し、一定以上の圧力がかかると起爆する。~
近年では磁気振動センサーなど高度な電子制御を行うものもある。

>対人地雷では、圧力がかかった時ではなく、解放された時に起爆する設定もある。~
運がよければ、地雷を踏んだ兵士は死の恐怖に怯えながら長時間その場に立ち尽くす事になる。~
そして、その不幸な兵士1人を救うために戦闘[[工兵]]などが長時間その場に拘束されるのだ。

最小では人間を片足だけ引きちぎるものから、[[成形炸薬弾]]で[[戦車]]を吹き飛ばすものまで様々。~
当然ながら威力が高いほど巨大で埋設・隠蔽が困難なため、仮想敵に応じて使い分けられる。~

[[暗殺]]に用いる事もあるが、基本的には[[防御]]戦闘に用いられる。~
適切に設営された地雷原は、敵の前進を停止させる強固な壁として機能する。~
これは現代陸戦における[[要塞]]であり、

民間人を巻き込む無差別的な兵器という印象が強いが、[[軍隊]]における運用教則はその逆である。~
誰が巻き込まれるかわからないような無秩序な地雷埋設は、''利敵行為であるから[[軍法会議]]にかけられる。''~
味方を巻き込まずに済む保証をしないという事は、意図的に味方を殺そうとしたに等しい。

地雷を安全に運用するためには、常に正確な測量と完全な記録が要求される。~
埋設位置の記録は、たとえ[[部隊]]が[[全滅]]しても失われないよう複写され[[後送]]される。~
また、測量基準点がズレないよう、空爆にも耐える頑丈で巨大な杭を打ち込んで基準点とする。~
埋設作業自体も厳密にパターン化され、事後の撤去作業が安全に行えるよう取り計らわれる。

とはいえ、そうした安全対策は、教練と装備に膨大な軍事予算を費やした[[工兵]][[部隊]]にのみ可能である。~
[[民兵]]や[[ゲリラ]]が地雷を運用した場合、戦後に測量書類が残るかは疑わしい(測量したとすればの話だが)。~
最悪の事例では、文盲の人間がろくに訓練も受けずに個人で地雷を携帯する事すら珍しくない。~
そして[[テロリズム]]としての短絡的な観点で考えれば、無秩序な埋設でさえ脅威的な武器である。~

関連:[[オタワ条約]]


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS