【地雷】(じらい)

  1. 地中に埋められ、それを踏んだり近づいた対象物を破壊するための爆弾。Mine*1.
    攻撃対象ごとに火薬量や信管の敏感さを調節する必要があるため、用途ごとに対人地雷、対戦車地雷、核地雷などと分類される。

    敵味方・民間人すら区別しない無差別性から時に「悪魔の機械」などと糾弾される。
    特に対人地雷は民間人に被害を与える事も少なくないため、人権団体等から廃止すべきという声が上がっている。
    オタワ条約?の締約により多くの国が廃止しているか、廃止にむけ動いているものの、最大の地雷製造国である中米露では未だ生産が続いている。
    しかも条約による規制が行われるようになると、設置・運用・撤去といった一連の管理体制が敷かれ、戦闘終了後は安全に処理できうる先進国の軍隊が装備する対人地雷が廃棄されていく一方で、紛争国の求める、安価な対策の施されない地雷が野放しになるという皮肉な事態が生まれている。

    地雷は、きちんとした管理態勢を構築した上で使用されれば安全であり、自ら能動的に敵を攻撃することもないため、日本のような専守防衛を掲げる国にとっては非常に道理に合う。*2
    しかもかなり広範囲にわたって、短時間で強固な防衛陣地を構築できるため、戦略的にも有効な兵器である。
    現在の規制条約は、そうした安全態勢を整えた上で地雷を使える先進国に地雷を破棄させる一方で、そういったことをまったく無視した地域紛争の当事国では被害を止める事ができないため、一種の象徴的な意味合いしか持たず、実効性に疑問が呈されている。*3

  2. 自衛隊における野外での排泄の事。
    演習中など、トイレが無い場合に行われるが、「起爆」しないようしっかりと埋設する必要がある。

  3. 精神的苦痛に満ちているが致死的ではなく、かつ注意すれば避けられるトラブル、欠陥品、タブーを指す俗語。
    下手に掘り起こしたり使ってみたりするとひどい目に遭う事から連想される慣用表現である。

*1 英語では、「信管を備えた設置型の爆弾」をすべてこう呼ぶ。そのため「機雷」の英訳も同じである。
*2 元々軍人は戦争で傷を負うもので、地雷で傷ついてもそれを責める人間は居ない。
  それに危険を承知で踏み込まないと傷つきようがないので、地雷の被害を受けても攻めてきたほうが悪いのだ。

*3 事実、条約締結後も相変わらず地雷による被害は後を絶たない。
  新しい紛争が発生するたびに新しい地雷が使用されるが、条約はそれを食い止められず、完全に意味を成していない。
  すなわち、先進国の平和団体や人権団体の自己満足で終わっているのが実情である。


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