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【地下鉄サリン事件】 †
1995年3月20日午前8時ごろ、通勤時間を狙い帝都高速度交通営団(営団地下鉄・現在の東京地下鉄株式会社)の日比谷線、千代田線、丸ノ内線の5本の列車に対し、多量の致死性ガス「サリン」が散布され、死者12名、致傷者5000名を出した世界史上例を見ない化学兵器テロ事件。
使用されたサリンは純度が低く*1、化学兵器としてみると質の低いものであったが、地下鉄と言う特殊な空間であることから被害が拡大した。
過去より地下という閉鎖された空間、列車の移動により常に撹拌される空気、そして常に多くの人数が利用する地下鉄への化学兵器・生物兵器テロは脅威視されていたが、それが現実となった。
※主な被害(路線別)
・千代田線
→駅助役2名死亡、重症231名。
・丸ノ内線(池袋発)
→1人死亡、重症358名。
・丸ノ内線(荻窪発)
→死者・重症者なし。
・日比谷線(中目黒発)
→1人死亡、重症532人。
・日比谷線(北千住発)
→8人死亡、重症2,475人。
陸上自衛隊の化学防護隊が出動し汚染の除去にあたったほか、自衛隊中央病院及び衛生学校から医官21名及び看護官19名が被害者が収容された各病院に派遣され、治療の助言や指導を行った。*2
実行犯及び首謀は新興宗教のオウム真理教幹部とみられ、実行犯は自首した1名を除き全員死刑、首謀者の教祖に対しても死刑判決が下っている。
なお、同団体はアレフと改名(一部は離脱)し、現在も存続中である。
*1 純度の高いサリンは無色無臭
*2 事件当時「ガス爆発」など情報が錯綜しており使われたのはサリンとははっきりしなかった。しかし病院などに運ばれた患者は松本サリン事件時のサリン患者と似た症状を発症していたため使われたのはサリンと判明し、有機リン系農薬の解毒剤「PAM」が首都圏だけではなく西日本からも新幹線を使って集められた