*&ruby(だんどうみさいる){【弾道ミサイル】}; [#c8504583]
Ballistic Missile (BM).~
~
宇宙ロケットに近い形状をした長距離[[ミサイル]]。または[[ペイロード]]に[[爆薬]]を搭載した宇宙ロケット。~
[[ロケットエンジン]]で大気圏外に上昇、[[極超音速]]で巡航し、大気圏に再突入して目標へ到達する。~
現在の技術では巡航中に[[撃墜]]する手段が確立されておらず、大気圏再突入後のごく短時間にしか迎撃できない。~
反面、飛行中は[[慣性航法装置]](INS)でのみ制御されるため、命中精度は極めて劣悪で、[[核兵器]]などによる[[戦略爆撃]]の用途にしか利用できない。~
~
弾道ミサイルと宇宙ロケットはそれぞれ別々の意図を持って設計されているものの、どちらもモノを大気圏外へ打ち上げる事が目的なので構造に大差はない。~
弾道ミサイルに[[人工衛星]]を搭載して静止軌道に乗せる事は十分可能((そのため、旧式化や軍縮条約によって現役を退いた弾道ミサイルの弾体が[[人工衛星]]の打ち上げに転用されることもある。))であるし、宇宙ロケットに[[核兵器]]を搭載して狙った場所に墜落させるのも困難ではない。~
そのため、弾道ミサイル開発から打ち上げ用ロケットが派生することも、逆に学術研究目的のロケットから弾道ミサイルへ派生することも十分可能である。~
~
従って、宇宙ロケットの開発には常に政治が絡み、場合によっては海外から技術供与を拒否されることも起こる(([[衛星>人工衛星]]打ち上げ用のロケット開発で高い技術を保持することは、(開発の当事者がどう考えるにせよ)外から見れば優秀な弾道ミサイルの開発能力を保持していることになる。))。~
いわゆる「[[ならず者国家]]」などは、しばしば弾道ミサイルの実験について「[[核兵器]]の実験ではなく宇宙開発事業である」と主張する((事実、旧ソ連やアメリカなど、最初期に宇宙開発に着手した国家は、概ね弾道ミサイルの開発で得られた技術を転用していた。))が、実情は定かでない。

**弾道ミサイルの分類 [#e197581c]
弾道ミサイルは主に[[有効射程]]によって分類され、条約や国によって数字は異なるが、おおむね以下のように分類されている。~
|>|[[大陸間弾道ミサイル(ICBM:Intercontinental Range Ballistic Missile>大陸間弾道ミサイル]](射程5,500km〜)|
|>|CENTER:''主な種類''|
|アメリカ|MGM-16「アトラス」&br;MGM-25A「タイタン」&br;LGM-25C「タイタンII」&br;[[LGM-30「ミニットマン/II/III」>ミニットマン]]&br;BGM-75「AICBM((Advanced Intercontinental Ballistic Missile(先進大陸間弾道ミサイル)の略。))」(開発中止)&br;hXMGM-134「ミゼットマン」(開発中止)&br;LGM-118「ピースキーパー」|
|ソビエト/ロシア|R-9(SS-8「Sasin」)&br;R-36「ヴォエヴォーダ」(SS-18「サタン」)&br;R-7(SS-6「サップウッド」)&br;R-16(SS-7「サドラー」)&br;RT-2(SS-13「サヴェージ」)&br;RT-21(SS-16「Sinner」)&br;R-36(SS-9「スカルプ」)&br;UR-100(SS-11「セーゴ」)&br;UR-100N(SS-19「スティレット」)&br;MR UR100(SS-17「スパンカー」)&br;RT-23「モロデーツ」(SS-24「スカルペル」)&br;RT-2PM「トーポリ」(SS-25「シックル」)&br;RT-2PM2「トーポリM」(SS-27「シックル」)|
|中国|東風5(DF-5、CSS-4)&br;東風31(DF-31、CSS-9)&br;東風41(DF-41、CSS-X-10)|
|北朝鮮|[[テポドン2号>テポドン]]&br;KN-08(開発中)|
|>|中距離弾道ミサイル (IRBM:Intermediate Range Ballistic Missile)(射程2,400〜5,500km)|
|>|CENTER:''主な種類''|
|アメリカ|PGM-19「ジュピター」&br;PGM-17「ソー」|
|ソ連|RSD-10(SS-20)(退役)|
|イギリス|ブルーストリーク(開発中止)|
|フランス|S-2&br;S-3/TN-61(退役)|
|パキスタン|シャーヒーンIII&br;ガウリIII|
|イラン|シャハブIII|
|インド|アグニIII|
|イスラエル|エリコII|
|北朝鮮|[[ムスダン]]|
|中国|東風3(DF-3、CSS-2)|
|>|準中距離弾道ミサイル (MRBM:Medium Range Ballistic Missile)(射程800〜2400km)|
|>|CENTER:''主な種類''|
|北朝鮮|[[ノドン]]&br;[[テポドン1号>テポドン]]|
|中国|東風21(DF-21、CSS-5)&br;東風25(DF-25)|
|アメリカ|MGM-31「パーシングI/II」|
|>|短距離弾道ミサイル (SRBM:Short Range Ballistic Missile)(射程150〜800km)|
|>|CENTER:''主な種類''|
|>|CENTER:[[第二次世界大戦]]中|
|ドイツ|V2ロケット|
|>|CENTER:第二次世界大戦後|
|アメリカ|MGM-5「コーポラル」&br;PGM-11「レッドストーン」&br;MGM-31「パーシングI」&br;[[MGM-140「ATACMS」>MGM-140]]|
|ロシア|[[R-11(SS-1B「スカッドA」)>SS-1]]&br;[[R-17(SS-1C「スカッドB」)>SS-1]]&br;9K79「トチカ」(OTR-21、SS-21「スカラベ」)&br;9K714「オカー」(OTR-23、SS-23「スパイダー」)&br;9K720「イスカンデル」(SS-26「ストーン」)|
|インド|プリットヴィー|
|イラン|ファテフ110|
|イラク|[[アル・フセイン>SS-1]]|
|パキスタン|シャヒーンI|
|中国|東風11(DF-11、CSS-7)&br;東風15(DF-15、CSS-6)|
|韓国|[[玄武-1/玄武-2A/B>MIM-14]]|
|>|戦場短射程弾道ミサイル (BSRBM:Battlefield Short Range Ballistic Missile)(射程〜150km)|
|>|CENTER:''主な種類''|
|アメリカ|MGM-18「ラクロス」&br;MGM-29「サージェント」&br;MGM-52「ランス」|
|ソ連/ロシア|[[FROGシリーズ]]|
|>|対艦弾道ミサイル(ASBM:anti-ship ballistic missile)&br;(海上の艦船を対象としたもの)(最大射程3,000km)|
|中国|東風21D(DF-21D)|
|>|潜水艦発射弾道ミサイル (SLBM:Submarine Launched Ballistic Missile)&br;([[潜水艦]]から発射されるもの。射程関係なし)|
|>|CENTER:''主な種類''|
|アメリカ|UGM-27「ポラリス」&br;UGM-73「ポセイドン」&br;UGM-96/UGM-133「トライデントI/II」|
|イギリス|ポラリスA-3TK&br;トライデントD-5|
|ソ連/ロシア|[[R-11FM(SS-1B)>SS-1]]&br;R-13(SS-N-4「サーク」)&br;R-21(SS-N-5「サーク/サーブ」)&br;R-27「Zyb」(SS-N-6「サーブ」)&br;R-29「Vysota」(SS-N-8「ソウフライ」)&br;R-29R(SS-N-18「スティングレイ」)&br;R-29RM「Shtil」(SS-N-23「スキッフ」)&br;R-29RMU/3M27「シネーワ」(SS-N-23)&br;R-29RMU2「ライナー」(SS-N-23)&br;[[R-30/3M14「ブラヴァー」(SS-NX-30)>SS-NX-30]]&br;R-39「リフ」(SS-N-20 Sturgeon)&br;R-39M「バーク」(SS-N-28)|
|フランス|MSBS((Mer Sol Ballistique Strategique:海中発射型対地戦略弾道弾。)) M1(退役)&br;MSBS M2(退役)&br;MSBS M20(退役)&br;MSBS M4(退役)&br;MSBS M45&br;MSBS M5(1996年開発中止)&br;MSBS M51|
|中国|巨浪1(JL-1、CSS-N-3)&br;巨浪2(JL-2、CSS-NX-4)|
|インド|K-15&br;K-X(開発中)|
|>|空中発射弾道ミサイル(ALBM:Air-Launched Ballistic Missile)&br;(航空機(主に[[爆撃機]])から発射されるもの。高コストにより開発中止)|
|>|CENTER:''主な種類''|
|アメリカ|GAM-87/AGM-48「スカイボルト」|
|イギリス|ブルーストリーク&br;ブルースチール|
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