【短機関銃】(たんきかんじゅう)

Sub-Machine Gun (SMG) サブマシンガン

フルオート射撃の出来る小火器の内、比較的小型の至近距離戦闘用兵器。
拳銃弾を使用する物が一般的だが、現在では小銃弾を使用する、アサルトライフルやカービンを小型化したものもサブマシンガンと呼ばれるようになっており、それぞれのカテゴリーの境界線は曖昧になりつつある。
セミオートフルオートの切り替えが出来るものが多いがが、中にはフルオートしか出来ないタイプもある。

近距離での戦闘では、その火力や取り回しの容易さが非常に有効だが、遠距離の戦闘には不向きである。

イタリアのヴィラール・ペロサ(口径9mmグリセンティ)が、世界初の拳銃弾を使用するサブマシンガンと言われるが、バイポッド?を装備する等、どちらかといえば従来の小銃弾を使用する機関銃を補間する目的で設計されていた。
このため、ドイツのMP18が、現在に通ずる「小型軽量の自動火器?」としての「サブマシンガン」の元祖と言われている。
第一次世界大戦では塹壕戦においてその高い火力?で重宝がられたが、第二次世界大戦以降、その有効射程の短さから限定的な使用にとどまるようになり、終戦後は自動小銃の登場によって軍隊ではその存在意義を失った。

その後、冷戦時のテロリズムの台頭、犯罪の凶悪化に伴い、警察の重武装化が提唱されるようになり、警察による特殊部隊の創設も相次いだ。それらの部隊には、当初は軍と同様の自動小銃が配備されたが、その過大な威力により犯罪者以外の周辺に対する被害が問題視された。そこで、再び拳銃弾を使用するサブマシンガンに注目が集まったが、1970年代初頭に存在した製品はどれも命中精度?に問題があり、人質を取られた場合などに要求される正確な射撃が困難であった。しかし、H&K MP5の登場は、これまでの問題点を一挙に解決し、サブマシンガンの有用性を広く世に知らしめることとなった。
軍隊においても、対テロ作戦に従事する部隊を中心に、再び拳銃弾を使用するサブマシンガンを制式化する動きが広まっていったが、テロリストの重武装化に伴い、再び威力不足の問題が露呈したため、現在は小銃弾を使用するカービン等に主流が移っている。

軍隊における、後方部隊等の自衛用火器として開発されたPDWも、現在ではサブマシンガンの一種とされる。

現在、拳銃弾を使用する物は主に警察用に使用される他、軍隊に於いては施設の警備用等、限定的に使用される事が多い。

有名なものに、WW2以前の物としては、アメリカのトンプソン、M3”グリスガン”、イギリスのステン、ドイツのMP40?、旧ソ連のPPSh等がある。
また、大戦後のものとしては、イスラエルのUZI、ドイツのMP5、アメリカのイングラム等が著名である。
さらに、ドイツのG36CやHK53、スイスのSIG552、アメリカのM16のコンパクトモデル(銃身長10インチ程度の物)等も「サブマシンガン」と分類されることがある。

関連:PDW MP5 PPSh M3? トンプソン ステン UZI?


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