【第12旅団(自衛隊)】(だいじゅうにりょだん(じえいたい)) †

概要
創設2001年
所属国日本国
部隊編制単位旅団
兵種、任務、特性空中機動
上級部隊東部方面隊
所在地相馬原駐屯地（群馬県北群馬郡榛東村）

陸上自衛隊における戦略級部隊単位である「旅団」の一つ。

本旅団のルーツは、1962年に創設された「第12師団」である。
同師団は、陸自で「師団」制度が発足したのを契機に、従来の第1管区隊（現在の第1師団）の警備担当区域を分割し、北関東・信越地方の防衛を担当すべく発足した軽歩兵師団であった。
その後、2001年に旅団（総合近代化旅団）へ規模縮小され、同時に空中機動部隊へ改編された。

現在の本旅団は、司令部を群馬県・相馬原駐屯地に置き、4個普通科（歩兵）連隊を基幹とする約4,000名の兵員を擁し、関東北部（群馬・栃木）及び信越地方の防衛警備・災害派遣・民生協力、または国際貢献活動などを任務にしている。

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部隊編制 †

  • 司令部（相馬原駐屯地　以下地名）および司令部付部隊
    • 第2普通科連隊（高田）
    • 第13普通科連隊（松本）
    • 第30普通科連隊（新発田）
    • 第48普通科連隊（相馬原）*1
    • 第12特科隊（宇都宮）
    • 第12ヘリコプター隊（相馬原）*2
    • 第12偵察隊（相馬原）
    • 第12高射特科中隊（相馬原）
    • 第12対戦車中隊（新町）
    • 第12後方支援隊（新町）
    • 第12施設中隊（新町）
    • 第12通信中隊（相馬原）
    • 第12音楽隊（相馬原）
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空中機動旅団への改編 †

前述の通り、本旅団はかつて軽歩兵師団であり、他の師団と同様に3個普通科連隊・1個戦車大隊を基幹とした編制を採っていた。
しかし、1990年代末期からの軍事情勢変化に伴う現代的な脅威に対応すべく、部隊規模のスリム化と地域の特性に合わせた改編が行われることになり、この中で、旧第12師団は山岳地の多い警備担当区域の特長を活かすべく「隷下の戦車大隊を廃止」「特科・施設科・通信科大隊を中隊規模に縮小」「航空隊を増強して『ヘリコプター隊』とする」といった大幅な改編のメスが入った。
これにより、本旅団には陸自の他の師団・旅団*3隷下航空部隊には装備されていないUH-60JAやCH-47JA*4が配備されることになり、同地の防衛警備や災害派遣への対処力向上*5のみならず、他地方への能動的な支援が可能となった。

しかしながら、現在でも旅団の航空兵力は隷下部隊をヘリボーン機動させるのに充分な数を持っているとは言えず、また、予算との兼ね合いから陸自全体でもヘリコプターの増強がままならない*6ため、部隊の機動は依然として車両主体となっていることが難点である。

*1 コア部隊。2012年度末に東部方面混成団へ移管予定。
*2 OH-6D、UH-60JA及びCH-47JAを配備。
*3 沖縄駐留の第15旅団を除く。
*4 他の師団・旅団航空隊にはUH-1が配備されている。
*5 実際、2004年の新潟県中越沖地震における災害派遣出動では、本旅団のヘリコプター兵力がフル活用された。
*6 UH-60が年間1機、輸送ヘリコプター全てをあわせても年間5〜6機程度しか調達されず、運用寿命満了に伴う用途廃棄分を補充するのがやっとだという。

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